一着はもっておきたい「春レザー」、今季の傑作4選。

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.31 一着はもっておきたい「春レザー」、今季の傑作4選。

    COMOLI

    気候が穏やかになると、冬に着ていた重い服を脱ぎ捨てて軽快な装いにチェンジしたくなるものです。女性は3月に入り寒さが和らぐと一斉に春服に着替え、印象を爽やかに変えていきますが、我々男性陣も負けじと季節感を服装で示していきましょう。ただし忘れてならないのは、まだまだ寒い日も多いという事実。この時期に海外に行く人はなおさら、夜の底冷えを実感していることでしょう。「なにを着たらいいかわからない!」と頭を抱えている諸氏もきっと多いはず。

    そこで今回お薦めしたいアイテムが、「春レザー」です。レザーは防風性や保温性がありつつ、汗ばんだ時でも蒸気を外に逃がし、ムレを感じさせない素材。薄いレザーのアウターは、実は春から初夏にかけて着るのに便利な服です。ハードな印象もなく、軽快な服装にさりげなく高級感をプラスできます。シワになりにくいため、脱いで持ち運びやすいのも大きなメリットです。

    ここに掲載したのは、ストイックな作風に定評がある「コモリ」の春レザー2着。どちらもソフトなラム革で、ずっと触っていたくなるほどの上質な風合いです。裏地がない一重仕立てなのが、春レザーらしい仕様。

    上の写真左側の黒いブルゾンは、今季注目されているデニムジャケット型。ディテールのデザインはビンテージにインスパイアされたものです。表(オモテ)面のレザーが襟に使われており、見た目のスタイリッシュさだけでなく、襟汚れを落としやすくなっているのも二重マル。丸首のサマーニットなどと気軽にコーディネートできます。

    右側のジャケットは、レザーの素材としての特性をよく引き出した服です。ボタンがなく、前を紐で縛ってとめることもできます。ガウンやカーディガンのようにリラックスして羽織るのがよく似合います。合わせるパンツは、スエードの風合いに合わせたマットな素材感のコットンパンツやイージーパンツが最適。イマどきなワイドパンツとの相性もばっちりです。

    春レザーは自由な発想で着回したい。


    ハイブリッドなライダース

    EMMETI

    こちらはライダースを春や秋にも着たい人なら絶対見逃せない、ハイブリッドデザインのブルゾンです。身頃がレザーで、袖も背中もハリのあるネオプレン素材。ネオプレンのスポーツ感と、ライダースのハードさとが融合して、個性あふれる軽妙な一着になりました。Tシャツとルーズなパンツという、ラフな組み合わせを格上げするアウターとしても大活躍するでしょう。手がけたのは、レザーの本場であるイタリアのレザーウエア専業ブランド。ラム革を極薄に仕上げた素材の扱いに、プロのワザが光ります。

    ブルゾン ¥99.360(税込)/エンメティ(ラグラグマーケット TEL:04-7163-8400)

    アウターにも便利なスエードシャツ

    DESA

    続いてご紹介するのは、3シーズン着回せるレザーシャツです。裏地が付かない一重仕立ての、薄く軽量なもの。スエードは表革と違って光沢がなく布に近い印象があるため、シャツによく用いられます。しなやかな薄いヤギ革のこの服は、アウターとしても便利に着られます。カフなしの袖先をクルッとまくり、ラフにアレンジして着てもいいでしょう。ネイビーかベージュか、どちらの色を選ぶかはちょっと悩みどころ。手持ちのワードローブに近いほうにすれば、きっと毎日のように愛用できるはず!

    シャツ 各 ¥99,360(税込)/ともにデサ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5772-5501)

    レザーの表(銀面)を裏側に用いることで、すべりのよさも確保。裏返して着て自慢したくなるほどの美しさ!

    上段写真:右から、ブラウンジャケット ¥129,600(税込)、黒ブルゾン¥116,640(税込)/ともにコモリ(アルファ PR TEL:03-5413-3546)