「エルメスの手しごと」展で、職人たちの“手のインテリジェンス”を目撃し...

「エルメスの手しごと」展で、職人たちの“手のインテリジェンス”を目撃してください!

文:佐藤千紗

展覧会ポスター。様々な道具がタイトルに絡むグラフィックが秀逸。

エルメスのバッグが、すべてフランス国内でつくられ、ひとりの職人がひとつのバッグを最初から最後まで手がけていることを知っていますか? その証しとして、すべてのバッグには誰がつくったのかを記した刻印があるのです。

そんなエルメスの誇る職人たちが、3月9日(木)から19日(日)までの11日間、「エルメスの手しごと」展のためにやってきます。東京では初の開催となる今回、表参道ヒルズを会場に、フランスから来日した職人たちによる、10種の手しごとのデモンストレーションが行われます。

中でもメゾンの原点となった「鞍」は、フォーブル・サントノーレ店の最上階にある馬具アトリエでいまなおつくり続けられており、今回は実際にそのアトリエから鞍職人がやってきます。そして、最高級の革を使い、鞍と同様のサドルステッチによって抜群の耐久性をもつバッグをつくる皮革職人、シルクスカーフ「カレ」の仕上げをいまだに手縫いで行う縁がかり職人、さらには時計や手袋職人などが集まり、卓越した手しごとの数々を披露します。

「フランスでは“手のインテリジェンス”と表現するのですが、抜群に手先の器用な職人たちが生涯をかけてひとつのものづくりを極めていきます。それぞれの職人に、独自の手わざの工夫や個性があるわけです。デモンストレーションで製品の向こうにひとりのつくり手の顔が見えてきます。今回の展示では彼らに通訳が付き、対話や質問も自由にできるので、彼らの思いや情熱に触れて頂ければと思います」とエルメス創業家の第6世代、ギョーム・ドゥ・セーヌさんは語ります。(次ページへ続く

会場にはエルメスの職人たちが作業を行うアトリエが出現、10種の手しごとを披露する。写真は手袋職人のアトリエ。photo: Alex Profit

時計職人が作業を行う様子。各職人に通訳が付き、職人たちと会話を交わすことができる。photo: Alex Profit

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