賑わいに欠けるシャンゼリゼの新たな試み、“寛ぎテラス”の効果はいかに?【コロナと闘う世界の都市から】

  • 文:髙田昌枝

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PARISパリ

賑わいに欠けるシャンゼリゼの新たな試み、“寛ぎテラス”の効果はいかに?【コロナと闘う世界の都市から】

文:髙田昌枝

6つあるうちの「ゼン」のテラス。凱旋門をバックに、グレーのパラソルがシックな印象だ。photograph by Olivier Bardina

いつもの夏なら、パリ祭の軍事パレードやツール・ド・フランス最終日などで話題の中心になるシャンゼリゼだが、今年はコロナの影響で外国人観光客も少なく、いまひとつ賑わいに欠けている。そんな気分を跳ね返そうとシャンゼリゼ委員会が考案したのが、「Les Terrasses Végétales des Champs-Élysées(シャンゼリゼ・グリーン・テラス)」。7月17日から26日まで、広い歩道に6つの緑いっぱいのテラスを設置し、無料で利用してもらうというものだ。それぞれ、花、ゼン(禅)、トロピカル、地中海、野生、菜園という6つのテーマでグリーンを配し、1時間ごとの予約制、定員12人で利用可能。音楽とアルコールはNGだが、飲食物を持ち込んで自由に寛げる空間だ。

8区のジャンヌ・オートセール区長によると、この試みには「デモの過激化で受けたイメージダウンからの回復と、シャンゼリゼはみんなのもの、というアピール」が込められているという。7月8日に告知されるとともに予約は好調、開催前に、全時間帯が予約でいっぱいに。快調なスタートを切った――かと思いきや、初日は曇り空のせいか、予約キャンセルが相次いだ様子。グリーンの寛ぎテラスは、はたしてパリジャンをシャンゼリゼに呼び戻すことができるだろうか?

「花」のテラスは、白い花でエレガントにアレンジ。低めのベンチにクッションが並べられた、寛げる空間だ。photograph by Olivier Bardina