コロナ禍でスター誕生! 「体操のお兄さん」がYouTubeで大人気。

  • 文:宮田華子

Share:

LONDONロンドン

コロナ禍でスター誕生! 「体操のお兄さん」がYouTubeで大人気。

文:宮田華子

ボディ・コーチのジョー・ウィックス。筋肉がばっちり見えるピタTがトレードマーク。部屋の中を飛んだり跳ねたり走ったりしながら、体育の授業を生配信中(日本からも視聴可)。昨年10月には大英帝国勲章(MBE)を授与され、名誉も手にした「ロックダウン・ヒーロー」のひとりだ。photo: Comic Relief/BBC Children in Need/Comic Relief via Getty Images

現在ロックダウン中のイギリス。多くの子どもたちは自宅で学習、大人も在宅勤務を継続しているが、どうしても運動不足になりがち。そんな悩みを解決してくれる救世主がボディコーチのジョー・ウィックス。以前からエクササイズ界では知られていたが、昨年のロックダウン中に「老若男女、知らぬ人がいない」ほどの存在に。コロナ禍が生んだ大スターだ。

ウィックスは昨年3月のロックダウン初日に自身のYouTubeチャンネルで『ジョー先生の体育の授業(PE with Joe)』と名づけた番組の配信を開始。学校に行けない子どもたちのために週5日朝9時に、家の中でできる「体育の授業」を自宅から生配信するシリーズとしてスタートした。

毎日同じ時間に生配信されるのでルーティーンとして定着しやすく、「ホームスクールの1時間目はジョー先生の体育!」と決める家庭が続出。大人には狭い家でも、幅2m程度のスペースがあれば「ガッツリ運動した気分になれる」と好評を博した。昨年3月24日の配信で最多ライブビューアー数(95万5,185ビュー)のギネス記録を樹立、再生回数ミリオン越えも多いという人気ぶりだ。

かくいう筆者もジョー先生の生徒の1人。器具はほとんど使わず、40秒運動したら20秒休憩(新シリーズでは35秒運動、25秒休憩に改定)というのがエクササイズの基本。手軽でシンプルだが、やってみるとなかなかキツイ。しかし1分ごとにエクササイズを変えていくのでテンポがよく、画面の向こうでジョー先生もゼイゼイしながら一緒にやっていることもあり不思議と頑張れてしまう。奇抜なコスチュームを着る日もあれば、クイズを入れたり、音楽を流したり、人懐っこい笑顔で視聴者に話しかけたりと、とにかく飽きさせずに30分完走できる工夫が満載だ。

この『体育の授業』シリーズは昨年7月の緩和時に一端終了となったが、イギリス全土が再ロックダウンとなったことをきっかけに、1月11日にカムバックした(週3回の生配信)。再開を待っていた子どもたちも多く、初日の再生回数はあっという間にミリオン越え。 私も久々に生徒になろうと視聴したが、あれ? ジョー先生の自宅が以前と違う! 調べてみると昨年8月、以前の「まあまあ大きな家」からロンドン郊外の「大邸宅」に転居したんだそう。テレビ出演も多く、開発したエクササイズアプリも好調のジョー先生。懐具合の変化が画面からしっかり見えるので、今後はやっかみも増えそうだが、親しみやすい笑顔はそのままでいてほしい。


●「The Body Coach TV」
www.youtube.com/c/TheBodyCoachTV