『比叡山至宝展』で、守り抜かれてきた宝物に込められた人々の祈りを感じよう。

  • 文:Pen編集部

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『如意輪観音坐像』鎌倉時代(13世紀)。寺伝では山科の元慶寺に伝来したとのこと。

伝教大師最澄が天台宗の総本山・延暦寺を開創して以来、比叡山は日本の宗教、歴史に大きな影響を与えてきました。たび重なる焼き討ちや、さまざまな災害を経験しながらも守り続けられてきた、比叡山の至宝たち。そんな貴重な文化財が一堂に会する『比叡山至宝展』が、2018年8月1日から11月30日まで開催されます。

この展覧会の見どころは、最澄の大遠忌1200年を記念して、普段の参拝では見ることのできない仏像や仏画が特別展示される点。これまで非公開であった「四天王像」や、厨子に入れて安置されていた「如意輪観音坐像(如意輪観音座像)」など、延暦寺はもちろん、比叡山の山麓に点在する非公開の寺院に伝わる貴重な文化財の数々も初公開。前期、後期に分けて展示替えが行われ、どちらも絶対に見逃せません。

「世の中に山てふ山は多かれど 山とは比叡の御山をぞいふ」と詠われた比叡山。鎌倉時代に民衆を救いたいと新仏教を興した開祖たちも、比叡山で学んだ学僧たちでした。世界の平和を祈り、「不滅の法燈」を灯し続ける天台宗の祈りの姿が、いくたびもの戦乱や困難な時代を超えて伝えられてきた宝物たちの中に感じられることでしょう。

『四天王像』より一躯。平安時代(11世紀)。

『伝教大師1200年大遠忌記念 比叡山至宝展』
開催期間:前期:2018年8月1日(水)~ 9月30日(日)
後期:2018年10月3日(水)~11月30日(金)
※会期中展示替えあり
開催場所:比叡山国宝殿 宝物館
滋賀県大津市 坂本本町4220
TEL:077-578-0001(代)
開館時間:8時30分~16時30分 ※入館は閉館の30分前まで
入場料:一般500円(税込) ※別途、延暦寺諸堂巡拝料が必要
休館日:10月1日(月)、10月2日(火)
www.hieizan.or.jp