もしも、シンデレラが自分でドレスをつくれたら。

もしも、シンデレラが自分でドレスをつくれたら。

撮影:工藤悠平(S-14) 文:佐野慎悟

vol.12
中村真里
RIM.ARK クリエイティブ・ディレクター/デザイナー

「RIM.ARK(リムアーク)」の2018年秋冬シーズンのコレクションに身を包み、自然体でカメラの前に佇む中村さん。ぴったりと後ろに縛った飾り気のないヘアスタイルは、ブランドのストイックでミニマルな世界観を強調しているようです。

いま話題のインフルエンサー「バズ美女」を紹介する、Pen Online限定のスペシャル連載。今回ご紹介する美女は、ファッションブランド「RIM.ARK(リムアーク)」のクリエイティブ・ディレクターを務める中村真里さんです。もともと福岡で美容師として働いていた中村さんですが、ファッションの仕事に憧れて、思い切って販売員へとジョブチェンジ。ファッションブランドを数多く手がけるバロックジャパンリミテッドのセレクトショップで働き始めました。

「すぐに東京へと異動になったのですが、上京してから1カ月経ったころのある日、社内で大きなコンテストが開催されることを知りました。優勝したら会社が夢をひとつ叶えてくれるということだったので、上京の勢い余って早速応募してみました」

そのコンテストこそが、未来の人材を発掘する「スター発掘コンテスト」。約1年間続いた厳しい選考の結果、中村さんは23人のファイナリストの中から見事グランプリの座を勝ち取りました。

「私の夢は、自分でブランドを立ち上げること。でも正直デザインの知識はまったくなかったので、最初は先輩のデザイナーについて、毎日必死に勉強させてもらいました。一連の仕事をひとりでできるようになった段階で、ブランド名やコンセプトを自分で考えて、一から大事につくり上げたブランドが「リムアーク」です。

まさにシンデレラストーリーと呼ぶにふさわしい、ドラマのような人生を歩き始めた中村さん。人々を惹きつける、ヒロインの素顔に迫ります。

ブランドのコンセプト、デザイン、ビジュアル制作など、表現したい世界観を常に自分自身で考え、発信してきた中村さん。やるからには中途半端は許さず、プロとして高い水準を目指すのが彼女の流儀です。確固たる価値観を持つ自立した女性像は、リムアークのデザインにもそのまま活かされています。

デザインの修行を始めた最初のころは、頭に思い描いたイメージを、うまくデザイン画に落とし込むことができずに苦労したそうです。「パタンナーさんにデザイン画を見せるときが一番緊張しました。毎回吐きそうになるぐらい(笑)。でも毎日通いつめて、正面から思いをぶつけて、何度もやりとりを続けているうちに、自分のデザインの質も上がり、しっかりと意思疎通ができるようになっていきました」

16年春夏にデビューを果たしたリムアークは、今季で6シーズンめ。初めてのお披露目は、バロックジャパンリミテッドの全ブランドが集う合同展示会。大御所スタイリストやエディターが数多く訪れた会場の一画で、中村さんはリムアークの世界観を来場者一人ひとりに直接伝えていきました。

10月の始めに行われた19年春夏シーズンの単独展示会の会場には、取材陣に囲まれた中村さんの姿がありました。長時間に渡るインタビューに対して、中村さんは終始ひとりきりで対応し、新作コレクションのコンセプトや、アイテムのディテールや素材感などを一つひとつていねいに説明していました。

ブランドの規模が年々拡大しているリムアークの新作コレクションには、ウエア以外にも、アクセサリーやシューズ、水着やフィットネスウェアなど、幅広いカテゴリーのアイテムが揃います。そのどれもが統一感のある美意識をもっているのは、中村さんの徹底したディレクションのたまものです。

「誰かにつくってもらった服を着て、あたかも自分がつくったかのように発信することは、絶対にしたくありませんでした。私は表へ出ている分、そう思われているのかなっていうのも、実は悔しかったりするんです」

独自に開発したキルティング素材を使用した、オーバーサイズのガウンを羽織った中村さん。幾何学的なキルティングにより、身体を動かすたびに複雑なシルエット感が表現されます。口元が隠れるぐらいのハイネックニットは、プライベートでも愛用することの多いお気に入りアイテム。

「自分がリムアークの服を着て、アイテムの魅力を発信していくことももちろん大好きですが、本当はもっと、クリエーションのことも発信していきたいんです。SNSでは“いいね”が付きづらいのですが、工場のことや職人さんのこととか、服づくりの裏側に関する投稿も続けていきたいです」

SNSでのバズりの要素を抜きにしたとしても、彼女が作る服はそれ自体の完成度が高く、洗練された女性像を描きだしています。中村さんはインフルエンサーというカテゴリーの枠を超えて、今日もストイックに服づくりと向き合っています。

「昔は知らない人と話すことも、人前で喋ることも苦手でした。でも、思い切って上京して、コンテストに応募して、ブランドを立ち上げてと、自分のやりたいことを追いかけていたら、いつの間にか、自信をもって人前で喋れるようになりました。当時の知り合いがいまの私を見ると、びっくりしますよ(笑)」

自分自身で魅力的なドレスをつくれてしまうシンデレラには、魔法の力は必要ありません。だから来シーズンもその次も、素敵な世界観で人々を魅了し続けてくれることでしょう。このひとりのデザイナーが、今後ファッションシーンでどのようなストーリーを見せてくれるのか、楽しみで目が離せません。

Q1
好きな男性のタイプは?
A
感情が一定の人。
Q2
好きな男性のファッションは?
A
Tシャツにスラックスとかを合わせてるスタイリッシュな格好が好きです。
Q3
よく行くお店は?
A
代官山 蔦屋書店。
Q4
好きな食べ物は?
A
餃子、焼肉。
Q5
趣味は?
A
仕事、ホットヨガ、読書。
Q6
好きな休日の過ごし方は?
A
夏だと音楽フェスに行くこと。
Q7
好きな音楽とその理由は?
A
洋楽だとSolange、Hugh、Joji。仕事中もイヤフォンで聴いています。 邦楽だとロックバンドが好きで、AKGは青春。
Q8
特技は?
A
ないです……。
Q9
好きな本は?
A
小説だと湊かなえさんの本。ミステリーな物語が面白い。
Q10
好きな映画は?
A
『ディオールと私』 。
Q11
身長は何cm?
A
158cm
Q12
好きなお酒は?
A
ハイボールかサングリア。飲みやすい!
Q13
自分は犬系女子? 猫系女子?
A
犬って言われたことあり。
Q14
インスタグラムで反響が大きかった投稿は?
A
イメチェンした時の自撮り。
Q15
自撮りする時に気をつけていることは?
A
角度。
もしも、シンデレラが自分でドレスをつくれたら。

次号予告

ファッションについて 語るときに あの人の語ること。