Vol.10 歴史に埋もれた「文化的遺産」をグラフィッ...
写真・文:錦 多希子

定期的に海外のひとつの出版社に焦点を当て、その出版社の本だけを取り扱うショップ「POST」のスタッフが、いま気になる一冊をピックアップ。今回、錦 多希子さんが注目したのは、グラフィックデザインを通じて過去の“財産”を現在、そして未来へと伝え拡げていく動き。NASA(アメリカ航空宇宙局)のスタンダーズ・マニュアル編纂を手がけたニューヨークの出版社を例に、独自の見解を語ります。

Vol.10 歴史に埋もれた「文化的遺産」をグラフィックデザインの力で救え!

National Aeronautics and Space Administration Graphics Standards Manual / Jesse Reed, Hamish Smyth / Standards Manual
ナショナル エアロノーティックス アンド スペース アドミニストレーション グラフィックス スタンダーズ マニュアル / ジェシー・リード、ヘイミッシュ・スミス / スタンダーズ・マニュアル

ある特定の分野において専門性を高めていくにつれて、その内部に身を置くからこそ知り得る感動や価値があります。先人たちが成し遂げた偉業を目の当たりにして、自らの糧にするのはもちろん、芽生えた敬意を後続する世代へバトンとして託すことに情熱を捧げることもあるでしょう。これまで見てきた個人的な見解として、特にグラフィックデザインの世界では、こうした動きが顕著であるように見受けられます。今回は、ニューヨークを拠点とするインディペンデントな出版社「Standards Manual(スタンダーズ・マニュアル)」を例に挙げてご紹介します。

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