NASA設立60周年! 天体写真展『138億光年大いなる宇宙の旅』は、科学技術とアートが融合した神の芸術です。

  • 文:幕田けいた

Share:

太陽観測衛星SDOがとらえた太陽表面の様子。©NASA's Goddard Space Flight Center・SDO

NASA(米国航空宇宙局)の設立60周年を記念して、NASA撮影による美しすぎる宇宙の絶景を集めた天体写真展『138億光年大いなる宇宙の旅』が、2018年7月11日(水)まで東京ミッドタウンの「富士フイルムフォトサロン東京」で開催されています。

え? 宇宙開発のトップランナー、NASAってまだ60年しか歴史がないの⁉ と驚かれる方も少なくないと思いますが、そうなんです。NASAは戦後生まれの組織。来年、2019年がアポロ11号の月面着陸50周年ということを考えると、たった11年で人類を他の天体に送り込んだのですから驚かされます。彼らは、まさに不屈の宇宙の開拓者なのです。

写真展では、そんなNASAの膨大なアーカイブの中から、惑星探査機や観測衛星、宇宙望遠鏡が捉えてきた天体や銀河の姿を、大型の高品位銀塩プリントにして展示しています。静かな水面に浮かんでいるような土星。誰も見ていないのに繰り返されているだろう火星の青い夕焼け。まるで生きているような躍動感のある太陽表面など、科学技術とアートの融合のビジュアルには圧倒されること間違いなし。月面から見た日の出ならぬ「地球の出」なんて、思わずため息が出てしまう光景です。

その美しさといったら「自然の驚異」なんて言葉がみみっちく思えるほどの、巨大スケールな「神の芸術」なのです。場内は写真撮影も可能なので、心に響いた1枚をスマホに残してきてもいいかもしれません。これらの天文写真を見ていると、なぜNASAが神の領域である宇宙に挑み続けてきたのか気になってくるはずです。開拓者精神でしょうか、それとも一歩でも「神」に近づきたかったからでしょうか……。その答えを知るためにも、本展に足を運んで、宇宙開拓の夢に思いを馳せてみてはいかがでしょう。

土星探査機カッシーニがとらえた土星とその衛星タイタン。©NASA・JPL-Caltech・Space Science Institute

月探査機ルナー・リコネッサンス・オービターが月を周回する軌道からみた地球。©NASA・Goddard・Arizona State University

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河M83。©NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI・AURA)

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた散開星団ピスミス24。©NASA, ESA, and J. Maíz Apellániz(Instituto de Astrofísica de Andalucía, Spain)

展示風景より。

『138億光年大いなる宇宙の旅』~ NASA60周年 天体写真ベストセレクション~
開催期間:2018年6月22日(金)~7月11日(水)
開催場所:富士フイルムフォトサロン東京
東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウエスト
TEL:03-6271-3350
開館時間:10時~19時 ※入場は閉館の10分前まで
会期中入場料無料
www.fujifilmsquare.jp

※イベント:
●7月7日(土)13時30分~15時
渡部潤一(国立天文台副台長)×黒田有彩(タレント)トークイベント
開催場所:フジフィルムスクエア2F特設会場
入場無料