tupera tupera(ツペラ ツペラ)作品が横須賀に大集合! 親子で夢中になれる、色鮮やかな絵本の世界を堪能しましょう。

  • 文:山田泰巨

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tupera tuperaのふたり。左が中川敦子、右が亀山達矢。撮影:鍵岡龍門

亀山達矢と中川敦子からなるユニット、tupera tupera(ツペラ ツペラ)が結成されたのは2002年のこと。絵本やイラストレーションをはじめ、舞台美術やアート・ディレクションなど、その多岐にわたる活動は、どこかで目にしたことがあるはずです。結成から15年目を迎えた今年、彼らのこれまでの作品を集めた展覧会『ぼくとわたしとみんなのtupera tupera絵本の世界展』が横須賀美術館で開催中です。

ベースとなる48種類の「顔」の絵に、自由に貼り付けられる目、鼻、口などのパーツシールが付いたシールブック『かおノート』をはじめ、第18回日本絵本賞を受賞した『しろくまのパンツ』や『パンダ銭湯』など、その作品はいずれも色鮮やかでデザインもユニーク。子どもたちが夢中になってしまうユーモアにあふれています。そんな彼らのこれまでの全作品に加え、原画や絵本のラフ、アイデアノート、手づくり雑貨、工作など約300点が会場に並びます。

コラージュでつくられることの多い彼らの作品ですが、原画の細かな表現を、実物はもちろん制作過程の映像からも知ることができるのにも注目。また、印刷では味わえないさまざまな仕掛けや美しいディテールは、子どもと自宅で遊ぶ時にも使える楽しいアイデアに満ちています。ものづくりに携わる人にとっては新しい発見もあるかもしれません。まさに子どもから大人まで楽しめる、心躍る展示です。海に面した気持ちのいい横須賀美術館で、tupera tuperaの世界を楽しみましょう。

壁面は2011年にブロンズ新社から復刊された絵本『木がずらり』の作品を用いたもの。ユニット結成初期に制作された実物が館内に展示されています。撮影:鍵岡龍門

顔に目、鼻、口などのパーツを自由に貼って楽しむ、ふくわらいのような絵本『かおノート』(コクヨ)はシリーズ化され、海外でも人気の高い一作。自由に書き込んで、世界にひとつの「かお」をつくれます。Ⓒtupera tupera

2012年にブロンズ新社から発行された『しろくまのパンツ』のしろくまとtupera tuperaのふたり。撮影:鍵岡龍門

パンツをなくして困っているしろくまさんが、心配したねずみさんとともにパンツを探しに出かけます。仕掛けに満ちたtupera tuperaらしい楽しさが詰まっています。「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)。Ⓒtupera tupera

来場者が絵本の世界に入り込めてしまう展示空間。湯船に浸かってリラックスするパンダ親子と写真撮影が楽しめるコーナーもあり、素敵な思い出を持ち帰れます。撮影:鍵岡龍門

私たちの知らないパンダ専用の銭湯があるのをご存知ですか?え?パンダの白黒って実は……。大人も楽しめるユニークな物語もまた、tupera tuperaの得意とするところです。『パンダ銭湯』(絵本館)。Ⓒtupera tupera

『ぼくとわたしとみんなのtupera tupera 絵本の世界展』

開催期間:2017年9月9日(土)~11月5日(日)
開催場所:横須賀美術館 
神奈川県横須賀市鴨居4-1
TEL:046-845-1211
開館時間:10時~18時
入館料:一般¥900(税込) ※11月3日(金)は入館料無料
www.yokosuka-moa.jp