ゆらゆらと光が浮遊する不思議な空間。「国谷隆志 Deep Projection」開催中です。

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    《Spaceless Spaces (Deep Projection)》2015年、撮影:草木貴照

    夜、街に輝くネオンをすぐそばで、じっくり鑑賞したことのある人がどれほどいるでしょうか?ネオン管を用いて私たちと空間との“いつもの”関係を変質させる現代美術家 国谷隆志さんが、兵庫県立美術館が取り組んでいる、同じ時代を生きるアーティストを紹介していくプログラムで今回取り上げられています。

    私たちは街を歩くときに目にするあかりの正体が、ネオン管とコードによってつくり出されたサインだと知っています。ゆえに、それらすべて一律のものと認識し、実際の姿に興味を持つことはありません。しかし、国谷さんがネオン管を熱し息を吹きいれることで創り出した有機的で、不規則な光の姿は、私たちの内側にうったえかけ、うつろう色で惹きつけます。展示の中で変圧器やコードもあえて表に配置し構造をあらわにすることで、照明でもサインでもない、作品としての空間を演出。普段とは違う異質な場所に身を置く独特の感覚が体験できることでしょう。

    展覧会のタイトル「Deep Projection(深い突起)」は逆説的で意味が読み取りにくいですが、今回の展示に対し作家がどのように働きかけたかを暗示するもの。是非会場でその意味について考えてみてください。(Pen編集部)

    《Untitled (SteleⅠ)》2015年、撮影:草木貴照

    《Spaceless Spaces(2011)》2011年、撮影:草木貴照(参考図版)

    《Sand Piece(35°0′ 31.7″ N 135°45′ 58.74″ E)》2013年、撮影:草木貴照(参考図版)

    国谷隆志 Deep Projection

    開催期間:10月29日(木)~11月29日(日) 

    会場:兵庫県立美術館
    神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 
    開館時間:10時~18時
    金曜日・土曜日は20時まで開館 (ただし11月27日(金)・28日(土)は18時まで)
    休館日:月曜日 ただし23日(月祝)は開館、翌24日(火)休館
    無料