セザンヌやモネの名画が浮かび上がる、写真家・鈴木理策の作品展。

セザンヌやモネの名画が浮かび上がる、写真家・鈴木理策の作品展。

文:はろるど

セザンヌやモネの名画が浮かび上がる、写真家・鈴木理策の作品展。

©Risaku Suzuki, Courtesy of Taka Ishii Gallery 展示作品は全23点。すべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし、展示しています。

故郷の熊野をはじめ、桜や雪、水面など、ハッとするような情景を撮ってきた写真家、鈴木理策の個展が、品川のキヤノンギャラリーSで開催中です。

綿あめのような白い雲が浮かぶ空、木漏れ日の差す森林に、大海の波に洗われる断崖。クリアに細部を表現したところもあれば、ボケもあり、風景を巧みに捉えています。なかでも、白い岩肌を露わにした山と青空とが鮮やかなコントラストをなした一枚は圧巻。息をのむほどに美しい風景ばかりですが、どこかで見たことがありませんか? そう、写真は、印象派など、近代の画家がモチーフに選んだ土地が舞台。まさに山は、セザンヌの描いたサント・ヴィクトワールであり、断崖は、モネやクールベが愛したエトルタの海岸であったりするのです。そうした土地を鈴木は訪ねて、画家の創意を感じながら撮影しました。ただし会場にはキャプションはなく、特徴的な景観を除けば、場所はわかりません。あくまでも鑑賞者の自由な想像にゆだねられています。

展覧会のタイトルにある「知覚の感光板」とは、セザンヌの言葉です。セザンヌはこう言いました。「自分の中にある先入観を忘れ、ただモチーフを見よ。そうすれば、知覚の感光板にすべての風景が刻印されるだろう」。鈴木はかねてよりセザンヌに共感を覚え、サント・ヴィクトワールを撮り続けたそうです。鈴木は一連の撮影で、「写真の本性を手に入れられたら」と語ります。

どの画家が描いた土地なのだろう?と考えを巡らすのも楽しい『鈴木理策写真展:知覚の感光板』。写真を通して、セザンヌやモネの名画が次々と思い浮かんできます。

『鈴木理策写真展:知覚の感光板』

開催期間:2018年11月28日(水)〜2019年1月16日(水)
開催場所:キヤノンギャラリー S
東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー1階
TEL:03-6719-9021
開館時間:10時~17時30分
休館日:日、祝、2018年12月29日~2019年1月6日
入場無料
https://cweb.canon.jp/gallery

セザンヌやモネの名画が浮かび上がる、写真家・鈴木理策の作品展。