第5回「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のテーマは、「LOVE」!

  • 文:小長谷奈都子

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MEMENTO MORI ロバート メイプルソープ写真展 ピーター マリーノ コレクション presented by CHANEL NEXUS HALL
「Tulip」1984 年 © Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.

生命力にあふれ、陽光降り注ぐ春の京都の新風物詩となった「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。通常非公開の寺院や町家、モダンな近現代建築など京都ならではのロケーションを舞台に、世界で活躍する写真家の貴重なコレクションや気鋭アーティストの新作が繰り広げられます。回を重ねるごとに好評を博し、第4回目までに約25万人が来場。第5回目となる今年、二条城が初めて会場に加わるなど、ますます注目を浴びること間違いありません。


2017年のテーマは「LOVE」。宗教観、歴史観、地域性、生活環境など、個々のバックグラウンドによりそれぞれ異なる「愛」の感覚や概念を、市内16の会場にて、写真家たちの視点を通して浮き彫りにします。


ロバート・メイプルソープの日本における2002年以来初の本格個展は、国際的建築家ピーター・マリーノのプライベートコレクションから約90点を展示。ゴリラやチンパンジーを被写体とした「Family Album」と、世界各国の狂信的な宗教儀式を写した「Love and Ecstasy」の2シリーズを紹介するのは、スペインを代表する女性写真家のイサベル・ムニョス。2010年に創刊され、刺激的なコンセプトとシュールなビジュアルで世界的に知られるアート雑誌「TOILETPAPER」の創刊者たちは、出身国イタリアの食文化やサブカルチャーなどをモチーフに、インパクトあるインスタレーションを展開します。

ほかにも、通常非公開の両足院(建仁寺内)に展示され、日本初公開となる荒木経惟の極彩色の静物写真や、新鋭の若手写真家ラファエル・ダラポルタが、世界最古のアートといわれるフランス・ショーヴェ洞窟の撮影に挑んだ大規模な4Kインスタレーションなど、見逃せない写真展が目白押しです。


また、展示作家によるトークイベントや体験型ワークショップ、週末ガイドツアー、マスタークラス、キッズプログラムなど、大人、子ども、学生、アマチュア、プロと皆が楽しめるイベントやプログラムを用意。春の京都で、「写真」という表現手段への理解を深め、さまざまな「愛」について考えてみませんか?

イサベル・ムニョス「Family Album/Love and Ecstasy」
「キャンプ・リーキー」《霊長類》シリーズより、ボルネオ、2015 年 © Isabel Muñoz

Photography by TOILETPAPER: Maurizio Cattelan and Pierpaolo Ferrari.

荒木経惟 「机上の愛」supported by shu uemura
2016年 © Nobuyoshi Araki, Courtesy of Taka Ishii Gallery

ラファエル・ダラポルタ「ショーヴェ洞窟」
「The elusive Chauvet – Pont-d’Arc Cave(Éditions Xavier Barral) 」2016 年 © Raphaël Dallaporta / Éditions Xavier Barral

サテライト展示K+では、フランスの写真家ソフィ・エブラードがポルノグラフィの撮影に密着した「IT'S JUST LOVE」は、ルイス・ブニュエルの映画「昼顔」を思わせる美しいイメージに込められた、性産業を見つめる女性ならではの視点が印象的です。
ソフィ・エブラード「IT'S JUST LOVE 」©Sophie Ebrard

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017」

開催期間:4月15日(土)〜5月14日(日)
開催時間:会場により異なる
開催場所:京都市内16会場

料金:一般パスポート(美術館「えき」KYOTOを除く全会場に会期中各1回のみ入場可能)¥3,000、一般プチパスポート¥1,500(美術館「えき」KYOTOを除く3会場/1日のみ入場可能)、学生(大学・高校・専門性)¥2,000
休館日:会場により異なる

http://www.kyotographie.jp/