絵の中の装いを見る「クールな男とおしゃれな女」展が、広尾の山種美術館で開催中。

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    左から、東洲斎写楽『二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉』 1794(寛政6)年 大判錦絵 山種美術館(後期展示6月17日~7月13日) 、喜多川歌麿『青楼七小町 鶴屋内 篠原』 1794~95 (寛政6~7)年頃 大判錦絵 山種美術館(前期展示5月17日~6月15日)

    日本画を専門とする広尾の山種美術館で『クールな男とおしゃれな女-絵の中のよそおい』展が7月13日まで開催中です。
    本展では江戸期から近現代までに描かれた男女のスタイリッシュな装いを「クールな男」「おしゃれな女」「よそおう男女」と3つに分けて約60点紹介。時代とともに変遷するファッションや美意識、色彩感覚を肌で感じることができます。たとえば、東洲斎写楽や喜多川歌麿が描く浮世絵の男女は、いわば時代のファッションリーダー。日常に纏う着物が再評価される今日において、着こなしのヒントを発見することができそうです。
    上村松園の描く清楚な娘や橋本明治の画中の芸妓からは、装いによって表情を変える女性の艶やかさを感じることができます。簪や扇子といった小物と着物のコントラストや髪型などのディテールにも要注目です。
    そして時代を超えた男のダンディズムを感じるのが、歴史を題材にした作風で有名な守屋多々志が描く『慶長使節支倉常長』。故郷を離れて時のローマ法王に謁見した孤高の男が、犬と一緒にローマの町を静かに眺めています。モノトーンのフロアと常長の裃に、青の差し色の小袖がなんともクール。期間中は「着物割引」もあるので、ぜひ和服で訪れてみたいですね。(Pen編集部)

    上村松園『春のよそをひ』 1936(昭和11)年頃 絹本・彩色 山種美術館

    橋本明治『舞』 1966(昭和41)年 紙本・彩色 山種美術館

    守屋多々志『慶長使節支倉常長』(部分) 1981(昭和56)年 紙本・彩色 山種美術館

    クールな男とおしゃれな女―絵の中のよそおい
    Chic Gentlemen and Elegant Ladies: Fashion in Japanese Painting

    5月17日(土)~7月13日(日)

    山種美術館
    東京都渋谷区広尾3-12-36
    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル受付時間8時~22時)
    開館時間 :10時~17時 ※入館は閉館の30分前まで
    休館日 :月
    入館料 :一般¥1000、大高生¥800、中学生以下無料
    きもの割引:会期中着物で来館の方は一般¥800、大高生¥700にて入館可能
    会期中一部作品の展示替えあり。(前期:5月17日~6月15日、後期6月17日~7月13日)