【刺繍、手織り、パッチワーク】職人技の粋を尽くし、ロロ・ピアーナが紡ぐテキスタイルと物語〈ミラノデザインウィーク2026レポート〉

  • 編集&文:井上倫子
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木製フレームが回廊のように連なる会場。会場の入り口付近には、ロロ・ピアーナ・ファミリーの創業の地でのライフスタイルを描いたテキスタイルが象徴的に展示されていた。 photo: Loro Piana

匠の技を堪能できる圧巻のエキシビションから、デザイン哲学に心奪われる没入的な展示まで、多彩な展示が行われるミラノデザインウィーク。その中でも話題を呼んだロロ・ピアーナのインスタレーションを紹介しよう。

プレードを間近に見ながら、アルチザンの真髄を「考察」する

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創業の地ヴァルセージアの春の風景を表現したプレード。描かれた花に職人が一針一針ビーズをあしらい光を纏わせ、息吹を吹き込む。 photo: Loro Piana

インスタレーション『考察 第1章:プレード』をミラノ本社で開催したロロ・ピアーナ。メゾンにとってスカーフと並ぶ重要なアイテムとされてきたプレードは、スコットランド・ゲール語が語源で、格子柄の布のことを言うが、現在は広い意味での大判の布(ブランケット)とされている。

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ロロ・ピアーナの紋章にも刻まれるアザミの花をモチーフにした「アッラ・コルテ・デイ・カルディ」。上質な白のウール地にシルクタフタのアップリケと刺繍が施されている。 photo: Loro Piana

今回は、このプレードを題材にロロ・ピアーナの技法や表現を探求し考察するという試みで、会場には24作品が回廊状に並んだ。創業の地ヴァルセージア地方の情景を描いたロロ・ピアーナの風景から始まり、メゾンのコード、植物モチーフ、カルド・ペイズリー、質感のある抽象的な柄と5つのセクションを順にたどっていく。

カシミア・リネンといった上質な素材に、刺繍やニードルパンチ、ジャカード織りなど多彩な技法を施すことで、ひとつのアートへと昇華されたプレードの数々。それらはオーク材のフレームに懸架され、来場者はまるで絵画を鑑賞するかのように、全体からディテールまでを存分に「考察」した。

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「アッラ・コルテ・デイ・カルディ」のクローズアップ。立体的な陰影と精緻な職人技がひとつとなり、美を生み出す。photo: Loro Piana

メゾンの哲学を深く探求するこの試みは、今後も展開され、年を重ねるごとに新たなテーマが加わる予定だ。

近年インテリア業界では希少性の高い「コレクティブルピース」が注目されている。その潮流とも呼応しながら、ロロ・ピアーナはテキスタイルの可能性を問い続ける。

ロロ・ピアーナ

TEL:03-5579-5182