【白くうねる外観に視線集中】藤本壮介が手掛けたJINS銀座店、“新しい和”を体現する空間とは

  • 文:佐藤季代
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既存壁から約15㎝の範囲で描かれた曲面が豊かな質感をもたらす。歴史的な建築に新たなレイヤーを重ね、都市の風景を再接続した。photo: Satoshi Nagare

建築家と協働して話題作を送り出してきた日本発のアイウエアブランド、JINS。今春、銀座4丁目に藤本壮介建築設計事務所が手掛けたグローバル旗艦店が誕生した。近代建築の巨匠アントニン・レーモンドによる教文館ビルを一部改修し、既存建築の文脈を継承しつつ「日本的な美」を再定義する試みがなされている。「和菓子や和紙に見られるような、やわらかく連続する形態に、これまでの和の建築になかった日本的感覚を見出しました」と藤本は語る。

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木材を用いた温かみのある空間が曲面の外観と対比を描く。アイウエアを展示する什器も藤本壮介建築設計事務所が手掛けた。 photo: Satoshi Nagare

“新しい和”を象徴するのが、丸みを帯びたファサードだ。既製の外壁材を用いず、継ぎ目のない白の左官仕上げによる曲面で構成。左官材に練り込まれた鏡の破片が穏やかに光を反射し、繊細な質感と陰影を浮かび上がらせる。

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吹き抜けに設置された名和晃平による『Snow-Deer』。大阪・関西万博で藤本の大屋根リングとともに展示された作品が移設された。photo: Satoshi Nagare

1階では、木材を用いた直線的な什器が有機的なファサードとの対比を描き出す。そして、奥の吹き抜けが地階へと視線を導き、上下階を緩やかにつなぐ。その中心には名和晃平による高さ5mの鹿の彫刻が据えられ、来訪者はアートを軸に回遊しながら、下階へ導かれる。地階にはレーモンド設計の躯体を活かした空間が広がり、ギャラリーとしても機能する可変的な場として計画されている。

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キャッシャーを設けた地階。「街並みを引き入れた空間」と藤本が言うように、銀座の街と呼応する文化的な展示空間としても活用される。photo: Satoshi Nagare
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オープニング展示では、池坊の次期家元である池坊専好による作品『立花』が公開された。7/31までは蜷川実花の展示を開催している。photo: Satoshi Nagare

銀座の歴史的建築の継承と、現代的な素材表現の融合。そこには、JINSが提示する新しい和の空間が広がっている。

JINS銀座店

住所:東京都中央区銀座4-5-1 
営業時間:10時〜20時
無休
www.jins.com
【設計者】藤本壮介建築設計事務所
2000年に藤本壮介が設立。東京、仙台、パリ、深圳に拠点を構え、国内外のプロジェクトに携わる。25年、藤本が会場デザインプロデューサーを務めた大阪・関西万博では「大屋根リング」などを手掛けた。