中国・深圳で建設が進む「Róng Museum of Art(ロン美術館)」の最新ティーザービジュアルと建設中の様子を、建築家オーレ・シェーレン率いる建築設計事務所「Büro Ole Scheeren」が公開した。
2027年の開館を予定する同館は、深圳湾エリアの大規模複合開発「后海複合キャンパス」の中心施設として計画されている。公開されたビジュアルでは、上方へ向かって大きく開く、有機的なフォルムが印象的だ。まるで巨大な花器のように、光を受け止めながら佇む。
高層ビルが立ち並ぶ景観のなかで、彫刻作品のような存在感を放つ建築である。
光とガラスで構成される“浮遊するヴェール”
今回公開されたビジュアルのなかでも特に印象的なのが、建物外周を覆うガラスファサードだ。「Büro Ole Scheeren」は「層状に構成された精巧なガラスチューブが、浮遊するような光のヴェールを形成する」と説明している。
ファサードは昼間は自然光を柔らかく反射し、夜間には内部の光を透過させながら、都市の中に発光体のような存在をつくり出す。静的なオブジェのような建築というより、環境とともに呼吸する建築として構想されていることが伝わってくる。
屋上には庭園空間が設けられる予定だ。「レジャーやライフスタイルに焦点を当てた適応的なルーフガーデン」と表現されており、美術館を鑑賞の場に限定せず、人々の日常に接続する場所として設計しようとする意図がうかがえる。
都市の体験を再構築する、オーレ・シェーレンの建築
設計を手掛けたオーレ・シェーレンは、ドイツ出身の建築家。オランダの建築設計事務所OMAに在籍していた頃に、北京の「中国中央電視台本部ビル(CCTV)」の設計に携わり、その後自身の事務所「Büro Ole Scheeren」を設立した。タイ・バンコクの超高層建築「マハナコン」や、中国・北京の「ガーディアン・アート・センター」など、都市の中に新しい人の流れや交流を生み出すプロジェクトで知られている。
シェーレンの建築は、単なる造形のインパクトに留まらない。建築をランドマークとして成立させながらも、人々がどのように集まり、移動し、その空間を体験するかまで含めて構想する点に特徴がある。今回のロン美術館でも、展示空間は上部に配置され、下部には広場や回遊動線が立体的に広がる構成となっている。
深圳という都市の変化を映す文化施設
深圳は長らく、「テンセント」をはじめとする巨大テック企業の集積地として発展してきた。一方で近年は、美術館や文化施設の整備も急速に進み、都市の役割そのものが変化しつつある。ロン美術館も、そうした流れを象徴するプロジェクトのひとつだ。
現在工事が進んでいる。Ole Scheeren © Buro-OS Photo by Zhu Yumeng
現在公開されているのは限定的なイメージに留まるが、その造形を見るだけでも強烈な印象を残すプロジェクトであることが分かる。2027年の開館に向け、今後の建設の進捗にも注目したい。







