ガウディ作品があるのはバルセロナの都市部だけではない。郊外へと足を延ばせば、周囲の自然と響き合い、実験的な試みが息づく隠れた名作に出合うことができる。本記事では、Pen最新号『ガウディとサグラダ・ファミリア』から一部抜粋して、特に“今訪れたい”3つの作品を紹介する。
アントニ・ガウディが没後100年を迎える2026年、サグラダ・ファミリア教会のメインタワーがついに完成した。ガウディが残したメッセージを紐解くことが、大きな転換期を生きる我々にとって、未来への道標になるはずだ。
『ガウディとサグラダ・ファミリア』
Pen 2026年6月号 ¥880
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ガウディが残した、郊外に点在する作品群
“ガウディ建築”と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、サグラダ・ファミリア教会をはじめとするバルセロナ中心部の傑作群だろう。その唯一無二の建築はいまなお世界中の人々を惹きつけ、アントニ・ガウディの名を不朽のものにしてきた。しかし彼の思考の軌跡をたどるなら、郊外に点在する作品群を見逃すことはできない。そこには、探求の過程がより率直なかたちで息づいているからだ。
アルティガス庭園 1905年
バルセロナから北へ約130km、山間のリュブレガット川を望む場所に、グエイの友人で実業家のアルティガスのために築かれた庭園がある。アーチの橋や東屋、洞窟が点在し、不揃いな石でつくられた造作は、まるで以前からそこにあったかのように周囲に溶け込む。キリスト教のモチーフをたどりながら散策すれば、聞こえてくるのは川のせせらぎと鳥のさえずりだけ。作為と無作為が静かに交わるこの庭には、都市の作品とは異なるガウディの世界が広がっている。
住所:Carrer del Ferrocarril, s/n, La Pobla de Lillet, Barcelona
開館時間:3月末〜10月末:10時〜14時、15時30分〜18時30分(土) 10時〜14時(日) ※午後は時期によって異なる/11月〜イースター前: 10時〜14時(土・日・祝のみ)
休館日:月〜金(11月〜イースターまでは平日閉園) ※7月、8月のみ毎日開園 一般5.5ユーロ
https://turismelillet.cat/tour-item/jardins-artigas
シャレ・デル・カトリャラス 1901~1908年
アルティガス庭園にほど近い、森林に佇む山小屋。設計者をめぐっては長らく諸説あったが、2026年2月、ガウディの手による真作だと正式に認められた。屋根から壁へ境界なく連続する巨大な塊は、数ある作品でも異色の造形だ。螺旋階段のギザギザとした形状や、リズムを刻むドーマー窓には遊び心が宿る。森林に溶け込む素朴な佇まいには、形態への飽くなき探求心が凝縮されている。現在は修復作業中のため外観のみの見学となるが、年内には見学可能になる予定。
住所:Pista forestal de la Serra de Catllaràs, a unos 12 km del núcleo de La Pobla de Lillet
※2026年中に見学可能になる予定
https://turismelillet.cat/tour-item/xalet-del-catllaras
コロニア・グエル教会 1898~1914年
グエイ(グエル伯爵)の繊維工場を核とする産業コロニー内に計画された労働者用の教会。資金難により地下聖堂のみの完成にとどまったが、約10年を費やした“逆さ吊り模型”による構造美が凝縮されている。焼き過ぎたレンガや廃材の石灰石を用いた多角形の外観が松林に溶け込むよう。外周にはバラ窓が連なり、色彩豊かな光が内部に注ぎ込む。聖堂内では玄武岩の巨大な傾斜柱と、そこから枝分かれするヴォールト天井が広がり、圧倒的な迫力で訪れる者を包み込む。
住所:Carrer Claudi Güell, 6, La Colònia Güell, Barcelona
開館時間:10時〜17時(平日) 10時〜15時(土・日・祝)
休館日:1/1、1/6、イースター週間、12/25~26 一般10ユーロ〜
www.gaudicoloniaguell.org
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