【エスパス ルイ・ヴィトン東京でアート鑑賞を】高さ7mの巨大インスタレーションも。多様な素材が織りなすリナ・バネルジーの幻想世界へ

  • 文:Pen編集部
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エスパス ルイ・ヴィトン東京での展示風景。Photo: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で、リナ・バネルジーの個展『“You made me leave home…』が3月19日より開幕している。本展は、同施設の設立20周年とフォンダシオン ルイ・ヴィトンによる「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラム10周年という節目記念して企画されたものだ。

インド・コルカタに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動するバネルジーは、移民としての自身の経験を起点に、植民地主義やアイデンティティ、人とモノの移動といったテーマに向き合ってきた。彼女は、綿糸やココナッツパウダーといった日用品をはじめ、テキスタイルや羽根、ダチョウの卵、ガラスのシャンデリアなど、多様なファウンド・オブジェクトを用い、神秘的な女性像や幻想的なインスタレーションへと変容させてきた。それらの素材には、グローバル・サウスに由来する文化や、植民地主義の記憶が織り込まれている。

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『Black Noodles』2023年 Courtesy of the artist and Perrotin Photo: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

会場に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのは、高さ約7メートルに及ぶインスタレーション。ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』に着想を得た本作は、世界を巡る移動の祝祭性と、その裏に潜む不均衡や危うさを象徴的に描き出す。天井から吊り下げられた構造体と、そこから降り注ぐ無数のオブジェは、バネルジーの創作の核心を示すかのように、空間全体を包み込む。

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『In an unnatural storm a world fertile, fragile and desirous,polluted with excess pollination, hungry to seize an untidy commerce also gave an unknowable size to some mongrel possessions, excreted a promiscuous heritage, sprayed her modern love, breathed deeper than any one place arching her back threw new empire, religion, bathed in unseasonable hope to alter what could not be warm』2008年 Courtesy of the artist and Perrotin Photo: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
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『In Mute Witness at the outskirts and ou t of center she forms a final creased edge of makeshift settlements, a darkened place, in shade and grows a iridescent thorn to know as greenhorn pierces all home with the hard and the green of her unripe fruit』2015 / 2023年  Courtesy of the artist and Perrotin Photo: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

また、近作『Black Noodles』では、人毛の国際取引という見えにくい経済や政治の構造に目を向ける。美しさと違和感が同居するその造形は、鑑賞者の感覚を揺さぶりながら、私たちが無意識に受け入れている“流通”のあり方を問い返す。

本展ではさらに、2026年の新作絵画シリーズも公開。インドの細密画や中国の絹絵、アステカのドローイングなどを参照しながら、ヒンドゥーの女神を思わせる女性像が描かれる。それらは単なる象徴ではなく、移動し続ける「自己」の多層性を映し出す存在だ。

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PPAINTINGS 2020-2026年 Courtesy of the artist and Perrotin Photo: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

バネルジーの作品は、華やかで装飾的でありながら、そこに潜む歴史や政治性を静かに差し出す。異なる文化や時間、素材が交差するその場に立つとき、私たちは“どこに属しているのか”という問いに、ふと立ち止まることになるだろう。

Rina Banerjee
『“You made me leave home...』

開催期間:開催中~2026年9月13日(日)
開催場所:エスパス ルイ・ヴィトン東京
東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ·ヴィトン表参道ビル 7F
開館時間:12時〜20時
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店と同様
入場料:無料 
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/arts-and-culture