東京・赤坂に、新たなラグジュアリーホテルが誕生した。米国発のサステナブルなホテルブランド「1 Hotels(ワンホテルズ)」による、日本初進出となる「1 Hotel Tokyo(ワンホテルトウキョウ)」だ。場所は赤坂トラストタワーの38〜43階。都市の中心にありながら、自然との共生を掲げる同ブランドの哲学を体現した滞在空間が広がっている。
ワンホテルズは、ホテル業界のビジョナリーとして知られるバリー・スタンリヒトが創設したブランド。地球環境への配慮を軸に、ニューヨークやマイアミ、ロンドンなどで展開し、世界的な支持を集めてきた。東京の拠点となる本ホテルは、森トラストが推進する次世代型大型複合開発「東京ワールドゲート赤坂」の中核施設として開業。全211室を備え、銀座、六本木、渋谷といった主要エリアへのアクセスも良好だ。
自然を感じる空間デザイン
インテリアデザインを手掛けたのは、建築・デザインスタジオ「CRÈME(クレム)」。エレベーターで38階へ上昇する体験は、木の幹をゆっくり登るような感覚をイメージしているという。ロビーには青々とした“樹冠(キャノピー)”を思わせる空間が広がり、雲をモチーフにした壁面装飾や、皇居の石垣に着想を得た大谷石の壁など、自然界を想起させる意匠が随所に配されている。再生素材を取り入れたインテリアと、日本的なミニマリズムが調和し、高層階でありながら自然の静けさを感じさせる空間を生み出している。
食の体験もまた、このホテルの大きな魅力だ。シグネチャーレストラン「NiNi(ニニ)」では、南仏リヴィエラのリラックスしたエレガンスと日本の繊細さを融合させた料理を提供。国内ではまだ珍しい、炭火のグリルとオーブンを一体化させたスペイン発の調理機器「ジョスパーグリルオーブン」を使ったメニューや、ラム酒の代わりに和紅茶シロップを効かせたデザートなど、独創的な料理が並ぶ。バー「Spotted Stone(スポッテッド ストーン)」には50種以上の日本産クラフトジンが揃い、東京のジンカルチャーを象徴する新たなスポットとなりそうだ。
ウェルネスの中核となるのは「バンフォード ウェルネス スパ」。京都産の竹を使ったツールと緑茶オイルを用いるジャパニーズ バンブー マッサージや、ツボへのアプローチを取り入れたフェイシャルトリートメントなど、東洋の知恵と現代的なセラピーを融合したメニューが揃う。
建物は、日本の建築環境性能評価制度「CASBEE」で最高ランクのS評価を取得。再生素材の活用や使い捨てプラスチック削減につながる給水ステーションの設置など、持続可能性を重視した設計が随所に取り入れられており、「優れたデザインと持続可能性は両立できる」というブランドの信念が、ホテルの細部にまで息づいている。
東京という巨大都市の喧騒を眼下に見ながら、自然の静けさに包まれる——。そんな一見矛盾した体験を実現するホテルは、そう多くない。1 Hotel Tokyoは、ラグジュアリーの新しい基準を静かに、しかし確実に提示している。