【ウブロ×サミュエル・ロス】引き算が導く新境地。「ビッグ・バン ウニコ SR_A by サミュエル・ロス オールブラック」誕生

  • 文:倉持佑次
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ウブロとパートナーシップを組む英国デザイナー、サミュエル・ロス。

2020年に始動したサミュエル・ロスとウブロの協業は、これまでトゥールビヨンを核に、彫刻的構造を強調した少量生産モデルを発表してきた。そして2026年1月19日、新章を迎えた。初めてマニュファクチュール製クロノグラフ「ウニコ(HUB1280)」を搭載した「ビッグ・バン ウニコ SR_A by サミュエル・ロス オールブラック」が、世界限定200本で登場したのだ。

トゥールビヨンからウニコへ。超限定から200本へ。この移行は単なる仕様変更ではない。アーティストの造形言語を、より実用的なフォーマットへと接続する戦略的アップデートである。

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サミュエル・ロスが追求した「引き算」の美学が、立体的に浮かび上がる。

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「削る」ことで浮かび上がる構造

この新章において、ロスが選んだのは徹底したミニマリズムだった。42㎜のオールブラックセラミックケースは、過去3作の彫刻的な複雑性を抑え、「ビッグ・バン」本来の幾何学と多層構造を前景化させる。装飾を削ぎ落とすことで、構造そのものが浮かび上がる仕掛けだ。

サテンとポリッシュのブラックセラミックが生む陰影は、色を排しながらも豊かな表情をもたらす。そこにあるのは「足す」デザインではなく、「削る」ことで輪郭を研ぎ澄ます姿勢である。

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ハニカムモチーフのストラクチャードラバーストラップが、SR_Aのシグネチャーを静かに主張する。

この思想を象徴するのが、ロスのシグネチャーであるハニカムモチーフだ。新開発のストラクチャードラバーストラップに採用され、軽量性と建築的強度を両立する。ロスは「情報を取り除くことで厚みを増す」と語る。視覚情報を整理することで、物体としての存在感がむしろ強まるという逆説。引き算の思想は、ケースのみならず装着感にも貫かれている。

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マットブラックのスケルトンダイヤルが、ウニコのクロノグラフ機構を余すことなく露出させる。

ただし、ダイヤルでは真逆のアプローチが取られる。マットブラックのスケルトン仕様が、コラムホイールやクロノグラフ機構を惜しみなく露出。フライバック機能、シリコンエスケープメント、約72時間パワーリザーブを備えるウニコの構造を可視化する。外装が沈黙し、内部が語る。この対比が緊張感を生んでいる。

「ステルス、強度、スピード」。ロスが掲げた3つの言葉は、このモデルの性格を端的に示す。そしてブラックセラミック外装、インダストリアルな造形コード、ウニコの高性能クロノグラフという組み合わせが、パートナーシップの新たなベンチマークを打ち立てる。世界限定200本というスケールは、コラボレーションの裾野を広げながらも、アイデンティティを保つ絶妙な設定だ。

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ビッグ・バン ウニコ SR_A/自動巻き、セラミックケース、ケース径42㎜、パワーリザーブ約72時間、ラバーストラップ、10気圧防水、世界限定200本。¥4,026,000

イギリスとスイスの対話は、より実用的なフォーマットへと進化した。「ビッグ・バン ウニコ SR_A」は、単なる限定モデルではない。パートナーシップの成熟を示す、次なる基準点である。

LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ

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