1.濱田庄司の登り窯を活かし、益子と笠間の作家が未来へつなぐ
プロジェクト名の「かさましこ」は、「笠間(かさま)」と「益子(ましこ)」という兄弟産地の名前を組み合わせた造語。MOGI & MOGI Gallery shopでの展覧会では、松崎健、松崎幹、濱田友緒、加守田太郎、伊藤丈浩ら、笠間・益子を代表する15組ほどの作家の作品が展示・販売される。復活した巨大な登り窯で行われた火入れ。
陶芸家の濱田庄司(1894-1978)が遺した功績は計り知れない。手ろくろから導く純朴なかたち、豊かな色彩による大胆な文様が映える数々の創作によって、“人間国宝”に選ばれただけでなく、日用の美や無名の職人の技に光を当て、柳宗悦、河井寬次郎とともに民藝運動を推進した。1924年には栃木県益子に移住し、自身の仕事場と住居を建設。益子焼の発展に尽力したことでも知られる。
益子の仕事場にはそのものづくりを支える、長さ16mの巨大な登り窯もつくったが、彼の没後は40年以上にわたり使われることなく、濱田庄司記念益子参考館内で遺構として濱田の足跡を伝えるに留まっていた。しかし、2011年の東日本大震災の影響でこの大窯が損傷。その後、濱田庄司の孫で、濱田窯を受け継ぐ濱田が中心となり、登り窯の修復プロジェクトを立ち上げる。レンガを組み直し、粘土で表面を固めれば元に近いかたちに戻せるが、実際に窯に火を入れて焼き締めないことには十分な堅牢性が保持できない。そのために15年に益子町、さらには18年には隣接する茨城県笠間市の現代作家たちにも協力を呼びかけ、この登り窯の復活と技術の継承、人材の育成にも役立てようと考案。益子と笠間の焼物文化をさらに発展させていくための「かさましこ登り窯プロジェクト」が25年に始まった。
2026年の年初に行われた窯焚きには益子と笠間を拠点とする100人の作家が参加。薪割りから窯出しまでを参加者が共同で行った。こうして完成した新作から、現地作家たちと親交が深いギャラリーオーナーのテリー・エリスと北村恵子がセレクトし、東京のMOGI & MOGI Gallery shopにて特別展を開催する。産地が育む歴史を振り返るとともに、ものづくりの未来を展望する内容になるだろう。
特別展『Kasamashiko 2026 Ceramics exhibition』
開催期間:2/28〜3/23
開催場所:MOGI & MOGI Gallery Shop (東京都杉並区高円寺南3-44-14)
開催時間:12時〜19時
休館日:火〜金
https://mogi-shop.com

