ガウディ手記や書簡、制作道具などの貴重な資料のほか、体験型&参加型アートを通してガウディの創造世界を探ることができる『ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展』が、東京・品川区の寺田倉庫 G1ビルにて開催されている。これまでにはない、新たなアプローチによるガウディ展の見どころとは?
サグラダ・ファミリアのメインである「イエスの塔」がいよいよ完成へ
スペイン・カタルーニャ出身の建築家、アントニ・ガウディ(1852〜1926年)。バルセロナで活動し、グエル伯爵との協働を通じて「グエル公園」や「カサ・ミラ」などを手掛け、ブルジョワ層に愛される。生涯の集大成は「サグラダ・ファミリア」であり、後半生をその設計と建設に捧げた。1926年に路面電車の事故で亡くなった後も影響は大きく、現在「グエル邸」や「カサ・ビセンス」など7作品がユネスコ世界遺産に登録されている。
没後100年を迎える2026年には、「イエスの塔」を含む「サグラダ・ファミリア」主要塔群の完成が予定されている。本展はその歴史的節目にあわせ、ガウディ財団と世界で初めて公式ライセンス契約を結んだネイキッドが協働して開催するもの。これまでにない規模で財団の貴重な資料を一堂に公開するほか、アナログ模型とデジタルシミュレーションを融合させたインタラクティブな演出によって、ガウディ建築の革新性と精神を体感できる。
ガウディの実験をデジタルとアナログの両面から追体験!
ガウディが構造設計の研究に用いた逆さづり構造の実験を、デジタル技術で追体験できる「デジタル・ポリフニキュラー模型体験」にチャレンジしたい。ここでは、タッチパネル上で点と線を結び、長さや重さを調節しながら、重力の作用によって描かれるオリジナルの建築が設計できる。点を選んでアーチを作り、生成ボタンを押すと、AI技術が各アーチをもとにガウディ建築を思わせる造形を生成し、壁面に大きく映し出してくれる。
一方、ガウディの行っていた重力の実験を、鎖や磁石といったアナログな装置によって試せるのが、「アナログ・ポリフニキュラー模型体験」だ。まず鎖を運んで天板の好きな場所に吊るし、鎖を重ねてアーチを形成すると、一連の鎖と重りの動きがリアルタイムに読み取られ、建築のイメージとして可視化される。アーチを増やすと建築の塊が増え、山が高くなると空間も広くなるが、想像以上に変容していく姿が面白い。---fadeinPager---
若き日の手記から設計図案、吹きガラスまで、貴重な資料展示も充実
世界初公開の「サグラダ・ファミリア設計図案」や「ガウディの3D立体視メガネ」など、ガウディ財団の所蔵資料の展示も充実している。このうち1893年に制作された立体視メガネとは、ガウディが建築デザインを3次元で把握するために用いたもので、本人が直接使用したことが確認されている数少ない道具として知られている。そのレプリカのレンズに目を近づけると、ガウディが見た光景と同じものが見られるのも楽しい。
「カサ・バトリョ」のデザインを忠実に再現したドアやベンチなど、ガウディ建築の有機的な内装空間を体感できるのも魅力といえる。また、オリジナルのカラフルな吹きガラスや、「グエル邸」などのタイルのレプリカ、学生時代の頃に書かれたとされる手記なども必見の資料。手記は1ページのみの展示ながら、現在の研究成果を踏まえ、その内容が丁寧に解説されていて、若き日のガウディの思考のプロセスについて触れられる。
壮大な『サグラダ・ファミリア』の建築を没入感満点の映像で味わう
『サグラダ・ファミリア』が立ち上がっていく壮大な過程を、光と建築、そして物語として描き出す映像コンテンツが本展のハイライトを飾る。インターバルには「トレンカディスの海」をテーマにした幻想的な映像が流れ、色とりどりの小さな欠片が寄せ集まり、響き合いながら形を成し、やがてガウディ建築へと変容していく。その光景は、創造の瞬間を間近に見るような感動をもたらしてくれる。
アートとテクノロジー、そして学術的知見が響き合う『NAKED meets ガウディ展』は、ガウディの世界を多面的に感じ取る貴重な体験となる。建築を見るだけでなく、感じ、考える時間を与えてくれる本展で、没後100年を迎える天才建築家の精神に触れたい。ガウディが夢見た未完の芸術の鼓動を、いまこの瞬間に得られるはずだ。
『ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展』
開催期間:開催中~2026年3月15日(日)
開催場所:寺田倉庫 G1ビル
東京都品川区東品川2-6-4
開館時間:平日 10時〜18時 ※17時最終入場
土、日、祝 10時〜20時 ※19時最終入場
会期中無休
観覧料:一般 ¥2,700(平日)
https://meets.naked.works/gaudi










