俳優・吉沢悠が語る「生きるを愉しむ」ための流儀。ニッカウヰスキーと重なる、多彩な人生の味わい方

  • 写真:齋藤誠一 
  • スタイリング(服):大迫靖秀
  • スタイリング(小物):廣松真理子
  • ヘア&メイク:櫻井華奈(HITOME)
  • 文:久保寺潤子
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吉沢 悠(よしざわひさし)●1978年、東京都生まれ。19歳から多くのテレビドラマ、映画、舞台で活躍。昨年主演を務めた舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で2026年2月14日よりカムバック出演するほか、26年1月5日から放送予定のNHK夜ドラ『替え玉ブラヴォー!』には第3週より出演予定。

ニッカウヰスキーが掲げるブランドコンセプト「生きるを愉しむウイスキー」。固定観念に縛られず、自分らしい時間と価値観を持つ大人に向けた世界観を大切にしている。俳優として幅広い役柄を演じてきた吉沢悠もまた、枠にとらわれず、自ら選んだ道を歩み続けてきた人物だ。19歳で始めた俳優業を2005年に一時休止し、ニューヨークに語学留学した吉沢。帰国後、新たなスタートを切り多くの映画やドラマ、舞台に出演。24年からは舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で1年間主役を務め、今年はNHK大河ドラマに出演するなど多彩な活躍を続けている。そんな吉沢に“生きるを愉しむ”ための流儀について話を聞くと、役者としての姿勢だけでなく、日々の過ごし方にも独自の哲学が見えてきた。

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忙しい日々を送る吉沢が、自分へのご褒美に嗜むのがウイスキー。手にしているのはウイスキーとスイートベルモットを合わせたカクテル「マンハッタン」だ。ウイスキーは、ロック、ハイボール、カクテル、ホットウイスキーなど、シーンによって多彩な味わい方ができるのも魅力のひとつ。

 

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人生のターニングポイントになったニューヨーク生活

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 「長時間の稽古のあとに飲むウイスキーは最高です」と話す吉沢。

「ニューヨークに滞在していた時、よく聞かれたのが『なんで役者をやっているの?』『どんな役がやりたいの?』『あなたの夢は?』という質問でした。その時は表面的に答えていたけれど、どこかで取り繕っている自分がいました。それがずっと心の底に引っかかっていたんです。役者を再スタートしてしばらく経った2020年、日本特有の所作や礼法などを表現者として身に付けたいと思い、42歳で殺陣(たて)の稽古を始めました。ところがいざ始めてみると技術以上に“ものの捉え方・向き合い方”が問われる場だと気づいた。やればやるほど気づきがあるんです」

長い時には約9時間ぶっ通しで稽古を行う日もあるという。

「長丁場の稽古のあとは、家でゆっくりウイスキーを飲むことが多いですね。いろいろなことを我慢して全集中しているからこそ、切り替えの時間が必要。普段はハイボールが多いですが、2杯目にロックを味わいたい時もあります。今年の冬はホットウイスキーにも挑戦してみたいです」

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忙しい生活の中で、気分を変える“小物”を味方に

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身に着けるもので気分転換を行っている。メガネはその日の気分で使い分けている。左のボトルは天然の材料から抽出したエジプシャンオイル。

『ハリー・ポッターと呪いの子』で主役を務めた1年間は、徹底した体調管理が欠かせなかった。

「舞台を1年続けるには相当腹を括らないといけません。遠出の旅行なども控える必要があるので、日常の中で手軽に気分を変えられる“小物”を周りに置くのが最近の趣味になっています。メガネは気に入ったブランドのフレームをいくつか揃えていて、その日の気分で替えています。エジプシャンオイルは香りと記憶がつながると言われていて、エジプトで昔からの製法でつくられているもの。気持ちの切り替えに役立ちます」

最近は忙しくて出かける機会も少なくなったが、友人の経営するバーに飲みに行っていた時期もあるという。「カクテルはそこまで詳しくないんですが、バーでお薦めを聞いて飲むことが多いですね。そこで新しい味わいの発見があるのも愉しい」

ニッカウヰスキーの詳細はこちら

 

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余白があると、人生は愉しくなる

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若い頃からさまざまな監督や俳優と仕事をしてきた吉沢。「昭和の時代の俳優さんの、映像から匂い立つような人間臭さに憧れます」とハイボール片手に語ってくれた。

吉沢が「生きるを愉しむ」ために大切にしているのは、白か黒かを決めつけない“余白”の感覚だ。

「僕はわりと白黒はっきりさせる傾向があるんですが、世の中にはグレーな部分があって、それが遊びや余白につながるのではと最近思えるようになりました。自分の頭の中だけで悩みを抱えていても解決できないけれど、遊びを取り入れることで違った角度から物事が見えることもある。立ち止まって深呼吸する時間を取ることも必要です。自然の中に身を置いてみたり、デジタルデトックスをしたり、好きな曲にじっくり耳を傾けてみたり。日頃から意識していれば、それほど難しいことじゃない」

殺陣の稽古を続けたことで、何年ぶりかで会った先輩に「雰囲気が変わった。頑張っているんだな」と言われたことがあったという。

「その言葉がきっかけで改めて、周りの景色が変わったような気がしたんです。辛いこともあるけれど、自分が稽古を追求し続けた結果、気づけばそれが喜びにつながっていた。『愉しむ』という言葉を辞書で調べてみたら、『主体的に物事に向き合い、そこから満足を得ること』という解釈が載っていました。他人からは共感されないこともあるかもしれませんが、自分が能動的に動いて向き合った時、初めて『人生の愉しみ』というものを味わえるんじゃないかな」

生きるを愉しむウイスキー

葛藤を乗り越えて自分の追求するものに向き合った時、人生の愉しみを感じられるという吉沢。そんな至高の時間に寄り添うのが時間をかけてつくられたウイスキーだ。

「20代の時は全くお酒が飲めなかったんですが、30代、40代と歳を重ねるうちにウイスキーの愉しみ方を少しずつ覚えるようになりました。先輩に教わった飲み方、舞台に差し入れしていただいたお酒、色々な人との思い出にお酒が重なることもある。これからは頭を柔軟にして、人との縁を大事にしていきたい。愉しく生きるとは、余白のための心の持ちようなのかもしれません」

柔軟な姿勢で仕事もお酒も愉しみたいという吉沢。自分の歩んできた人生を振り返り、未来を思い描く——そんなライフスタイルの傍には「人生を愉しむ」ウイスキーがよく似合う。俳優として人として、これからも人生の幅を広げながら、多彩な顔をスクリーンや舞台で見せてくれるはずだ。

 

写真5枚目:ジャケット¥128,700/ラルディーニ ポロシャツ¥36,300/フィリッポ デ ローレンティス パンツ¥47,300/チルコロ (トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567) 他はスタイリスト私物 

ニッカウヰスキー

東京都墨田区吾妻橋1-23-1

https://www.nikka.com

 

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