ボッテガ・ヴェネタが11月20日、待望のフレグランスコレクションを日本市場に投入する。ブランドの象徴であるイントレチャートの技法と、発祥の地ヴェネツィアが育んできた豊かな歴史から着想を得た本コレクションは、世界各地の天然由来100%のエッセンスを織り交ぜた8種類で構成される。

東西文化の交差点として栄えたヴェネツィア。その精神を体現するように、5種類のメインコレクションは多様な産地の素材を組み合わせた。地中海の陽光を思わせる「コルポ・ディ・ソーレ」には、フランス産アンジェリカとモロッコ産オレンジブロッサムが温かみのあるハーモニーを奏で、「カム・ウィズ・ミー」はイタリア産ベルガモットの爽快さにフランス産アイリスバターのパウダリーな優雅さが溶け込む。ウッディな「アクア・サーレ」、魅惑的な「デジャ・ミニュイ」、心躍る「アルシミー」と、五感を刺激する多彩なラインアップだ。

深夜の静けさを表現した「メッツァノッテ」コレクションも見逃せない。イタリア語で「真夜中」を意味する3種類は、希少なウッドノートを中心に構成されている。瞑想的な「ヒノキ」、祝祭感に満ちた「グッドモーニング・ミッドナイト」、そして新しい始まりを後押しする「オールモスト・ドーン」。これら3つのパルファムは、親密さと解放感を併せ持つ、深みのある香りが特徴となっている。

ボトルデザインには、ブランドが大切にしてきた「触れる喜び」が宿る。ヴェネツィアの干潟やしなやかなレザーから着想を得た波打つフォルムのガラスボトルは、手にした瞬間の官能的な感触まで計算されている。一つひとつに独特の気泡が入り、ムラーノ島で何世紀にもわたり受け継がれてきた吹きガラスの美しさを再現した。メインコレクションには、グリーンのヴェルデ・サン・ドニ大理石の台座を、メッツァノッテには夜の静けさを思わせるブラックのマルキーナ大理石を採用。香りごとに異なる色合いで仕上げた木製キャップと、メタリックなリングが現代的な輝きを添えている。プラスチックを一切使用しない設計は、サステナブルへの配慮も示すものだ。

肌に触れることで真価を発揮するこれらの香りは、まとう人の動きとともに移ろい、唯一無二の物語を紡ぎ出す。クラフツマンシップと感覚の探求を追求し続けるボッテガ・ヴェネタが、新たな領域で提示する美の形である。