A-POC ABLE ISSEY MIYAKE(エイポック エイブル イッセイ ミヤケ)が、異分野・異業種との協業から新たな服づくりのプロセスを研究開発する「プロジェクト タイプス」。その13番目となるプロジェクトとして、スイスを拠点とするデザインスタジオatelier oï(アトリエ・オイ)と共創した照明器具は、今年のミラノデザインウィーク期間中のインスタレーションで大きな反響を呼んだ。本展覧会では、その照明のプロトタイプを中心に、製品化への工夫などを交えて再構成された世界を堪能できる。
ブランドを率いるデザイナー宮前義之は、「エイポック エイブルにとって初のプロダクトとなりました。一枚の布が異なるものごととつながりながら可能性を広げていくことを考え、アトリエ・オイと2年以上積み重ねて形になった照明を発表しています」と話す。
思い描くイメージは「生け花」だ。季節を取り入れ、飾る楽しみだけでなく、招く客人のために生ける。エイポック エイブルの服づくりに活用されるリサイクルポリエステルをベースにした「スチーム ストレッチ」素材をシェードに展開したポータブル照明の「Oシリーズ」は決まった正面がなく、自由に置くことができる。「最終的に使う人がそこに参加しながら、一緒に考えていけるプロダクトになるといいと考えました。三宅一生が“A piece of cloth(一枚の布)”と掲げたものづくりの精神を受け継ぎ、発展させたいです」(宮前)。
アトリエ・オイのパトリック・レイモンも、「素材を徹底的に知り尽くし、可能性を広げるアプローチを通して、私たちは同じ思想を持っていると実感しました。未来に必要な取り組みになったと思う」と手応えを語った。
衣服の生地と同様に色展開を増やす計画もあるという。来年の製品化が待ち遠しい。
『TYPE-XIII Atelier Oï project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE:一枚の布から生まれる、新しい光のかたち』
開催期間:〜11/24
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
開館時間:10時〜19時
休館日:火曜日
料金:無料
www.2121designsight.jp