1931年、パリ万国博覧会から100年──その精神を受け継ぎ誕生した「レベルソ」の軌跡を辿る特別な展覧会が、「ジャガー・ルクルト 銀座並木ブティック」で11月6日から30日まで開催される。
「1931 POLO CLUB」と題されたこのトラベリングコレクションは、激しいポロ競技の衝撃からムーブメントを守るという機能性と、アールデコの洗練されたデザイン美を融合させた革新的なモデルとして、時代を魅了したレベルソの誕生の背景に光を当てる。
インド駐在の英国士官たちの要望に応え、ムーブメントを保護するために考案された反転式ケースは、実用性を超えた価値を生み出した。ケースを180度回転させることで文字盤を守るこの機構は、同時にケースバックという新たなキャンバスを創造したのだ。
会場では4つの章を通じて、メゾンが歩んだ軌跡と現代に息づく革新が響き合う。第1章「アイコンの物語」では1931年の初号機が登場し、「レベルソ」が築いた独自の価値を再発見できる。直線的なフォルムと幾何学的な意匠に宿るアールデコの精神が、訪れる人々を魅了する仕掛けだ。
続く第2章「デザインとスタイルの物語」では、時代とともに進化を遂げたプロポーションの変遷を紐解く。初代の意匠を守りながらも、現代的な解釈を加えた多彩なバリエーションの数々が、「レベルソ」の懐の深さを物語る。ミラネーゼのメッシュブレスレットを纏った「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」は、初代の意匠を受け継ぎながらモダンな解釈で新たな魅力を放つ。
メゾンの革新性を体現する、複雑機構搭載の最新作も展示


第3章「革新の物語」では、1990年代から加速した複雑機構への挑戦の結晶が並ぶ。音で時を告げるミニッツリピーターを薄型ケースに収めた技術力、複数のタイムゾーンを表示する旅人のためのワールドタイマーなど、430以上の特許と1400以上のキャリバーを擁するジャガー・ルクルトの技術力が、反転式という制約の中でいかに開花したかを実感できる空間となっている。
そして最終章「クラフトマンシップの物語」では、現代の職人技が結実した新作レアピースが登場する。エナメルやエングレービングといった伝統技法が施された作品群は、時計が単なる実用品を超え、芸術作品へと昇華する瞬間を目の当たりにさせてくれる。
スイスのジュラ渓谷に位置するル・サンティエ村で190年以上にわたり時計製造を続けてきたメゾンの理念が凝縮された本展。反転するたびに異なる表情を見せるレベルソの94年の物語が、銀座という舞台で静かに、しかし力強く語りかけてくる。
ジャガー・ルクルト「1931 POLO CLUB」トラベリングコレクション展
開催期間:11月6日(木)〜 11月30日(日)
会場:ジャガー・ルクルト 銀座並木ブティック(東京都中央区銀座6-7-15)
開館時間: 11時〜19時 不定休
TEL:03-5537-5911
www.jaeger-lecoultre.com