日本で生まれたアートを再考する展覧会から「絵金さん」の大規模な回顧展まで【今月の展覧会2選】

  • 文:青野尚子(アートライター)
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ゆれ動く世界に向けて、日本から発信されたアートを検証

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ヤノベケンジ『アトムスーツ・プロジェクト: 保育園1・チェルノブイリ』 1997年 ライトボックス、カラー・トランスペアレンシー 広島市現代美術館蔵 © Kenji Yanobe. Courtesy of Hiroshima City Museum of Contemporary Art

1989年から2010年までの間に、日本から発信されたアートを再考する展覧会。冷戦体制が終結し、グローバリゼーションが進んだこの期間には、現代美術の世界でもポップカルチャーを取り込んだり、戦争や核の記憶に触れたり、ジェンダーやアイデンティティに意識を向けるといった動きが現れた。会場には小沢剛、やなぎみわ、森村泰昌ら日本人だけでなく、イ・ブルやナウィン・ラワンチャイクンら外国人作家の作品も並ぶ。激しく変化したこの時代が持つ意味を検証する。

『時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010』

開催期間:9/3~12/8
会場:国立新美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(金、土は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(9/23は開館)、9/24
料金:一般¥2,000
www.nact.jp

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鮮烈な印象を残す土佐の絵師、「絵金さん」の作品を東京で鑑賞する

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『釜淵双級巴(絵馬提灯)』 第二十四 二十四点のうち アクトミュージアム蔵 ※通期展示

地元の高知で「絵金(えきん)さん」と呼ばれて親しまれた土佐の絵師、金蔵。高知では幕末頃から神社の夏祭りに彼の芝居絵屏風を飾る風習が広まるなど、人気を博した。彼は町人から大出世して土佐藩家老の御用絵師となるが、なぜかその身分を剥奪されてしまうなど、その生涯には謎も多い。この展覧会は東京の美術館では初めての大規模な回顧展。近年、高知県に「絵金蔵」が開設されるなど再評価の機運が高まる絵師の、強い印象を残す作品に触れるまたとない機会だ。

『幕末土佐の天才絵師 絵金』

開催期間:9/10~11/3(展示替えあり)
会場:サントリー美術館
TEL:03-3479-8600
開館時間:10時~18時(金、11/1、2は20時まで。9/26、27は六本木アートナイトのため21時まで) ※入館は閉館の
30分前まで
休館日:火曜日(9/23、10/28は開館)
料金:一般¥1,800
www.suntory.co.jp/sma

※この記事はPen 2025年10月号より再編集した記事です。