
箱根・芦ノ湖にて行われた試乗会で、ロング・ホイール・モデルの新型「BMW 525Li」を走らせた。通常モデルと比較して全長は115mm延長した全長5,175mm、、ホイールベースは110mm延長した3,105mm。後席は上級モデルの7シリーズに匹敵する居住性を実現し、やわらかな座面とヘッドレストクッションが長時間の移動を支える。湖畔の静けさと広い後席空間が調和し、単なる移動ではない“余裕”のあるドライブ体験となった。
ワインディングで実感した走行性能

その魅力は、後席の居住性だけではない。48Vマイルド・ハイブリッド・システムによる高効率ガソリン・エンジンを搭載し、箱根特有の勾配やカーブのある道でも、スムーズな加速と自然なトルクの立ち上がり。下りでは制御が安定し、ブレーキフィールも一定だった。

ステアリングを握ればBMWらしい応答性とスポーティさが際立つ。快適な室内空間はショーファーにも最適だが、それにとどまらず、ドライブ好きにも十分に応える仕上がりといえる。
専用仕様「Exclusive M Sport」とは

試乗車は専用仕様の「Exclusive M Sport」。スポーティなM Sportバンパーや、20インチアロイホイールに加え、サテンアルミ仕上げのウィンドウモールが外観を引き締める。

もちろん内装も充実。BMW Individualレザー・メリノシートや、スカイラウンジ・パノラマサンルーフ、Bowers & Wilkinsサラウンドシステムを標準で備える。光が差し込む箱根の道では、その装備が生み出す上質な空間が明確に伝わった。
ビジネスセダンをさらに超える余裕

1972年に初代が登場したBMW 5シリーズは、世界的に成功したビジネスセダンの代名詞。その中でも「525Li」は後席の快適性を大幅に高めたロング・ホイール・ベース仕様として位置づけられる。芦ノ湖畔からワインディングまで試した印象は、運転席と後席の双方で高い満足を得られる完成度にあった。
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BMWが提案する、水素でかなえるモビリティ

試乗会では、水素燃料電池を動力源とする実証実験車両の「BMW iX5 Hydrogen」にも試乗した。ベースはBMW X5で、約3分の水素充填で最大500kmの走行が可能 。加速は電気自動車に近く、箱根の坂道も滑らかだった。

BMWはトヨタと協力し、2028年に燃料電池車を量産予定。すでに各国で公道実証を進めており、インフラ整備と普及を視野に入れている。既存のBEVと同様のレスポンスを備えながら、短時間で燃料補給できる実用性に期待だ。これからの進展が、電動化の新たな選択肢を広げるに違いない。

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