【生成AIで番組探索】レグザ有機ELフラグシップ「X9900R」【麻倉怜士が選ぶ今月の家電】

  • 文:麻倉怜士
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〈テレビ〉
REGZA X9900R series(レグザ タイムシフトマシン搭載4K有機ELテレビ X9900R シリーズ 65V型)

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レグザの有機ELテレビのフラグシップ。AIエンジンによる処理で、光と深い黒を同時に再現。夜景のシーンでも鮮やかに映し出す。¥638,000(公式オンラインストア価格)

mini LED液晶テレビと有機ELテレビの性能向上競争が激しいが、総合的な画質では、有機ELが有利だと確信している。それは画質で最も重要なコントラストが高いからだ。その中でも注目はレグザの4K有機EL「X9900R」。画質から操作性まで、独自の魅力が横溢する。

まず、有機ELパネルはLGディスプレイの最新版RGB4スタック型。従来は、青と黄の補色入りの3層で発光していたが、新パネルは、赤・青・緑から成る4層で発光。補色がない原色のみだから、色再現が格段に優れる。輝度も高い。独自なのが、その使いこなしと画質設計、さらに機能性だ。

レグザの画質は、東芝ブランド時代から高い評価を獲得していたが、新しいパネルを得て、絵づくりの洗練度がさらに高まった。大相撲のBS4K中継では、ハイライトとシャドーが豊かに対比し、力士の肌が自然に輝き、グロッシーとも形容できる質感。

機能では、生成AIを利用した音声によるコンテンツサーチ「レグザAIボイスナビゲーター」がワン・アンド・オンリーだ。いままでは作品タイトル名などの具体的な単語で探していたが、それでは既知の知見の範囲内にとどまる。その先の“未知で魅力的なコンテンツ”をどうやって発見するか。それは自分の知識、記憶、考えを超えた探索だ。

今夏には対話形式のサーチを導入する。「30分ぐらい時間があるのだが、お薦めは?」と話しかけると、視聴履歴、好みを勘案して、「アニメをご紹介します。話題沸騰中の新作はどう?」と返事。会話を繰り返し、ターゲットを絞る。コンテンツが決まったら、その関連作品も選んでくれる。そんなX9900Rは、革新を地で行く、有機ELの傑作だ。

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生成AIによって、抽象的な言葉で問いかけても、好みやトレンドを考慮したコンテンツを表示する。配信サービスなどでコンテンツ供給が過多ないま、重宝する機能といえる。

麻倉 怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/東芝テレビご相談センター
TEL:0120-97-9674

※この記事はPen 2025年10月号より再編集した記事です。