グラフィック・空間・映像・アートピースなど、さまざまなアプローチで制作活動を行うアーティストYOSHIROTTEN。
この連載では「TRIP」と題して、古くからの友人であるNORI氏を聞き手に迎え、自身の作品、アート、音楽、妄想、プライベートなことなどを織り交ぜながら、過去から現在そしてこれからを、行ったり来たり、いろんな場所を“トリップ”しながら対談します。
鹿児島県霧島アートの森での個展が終わり、少しひと段落した様子のYOSHIROTTEN。2025年の上半期のクリエイションを3回にわたって振り返る。前回に続いて、今回は【中編】をお届けします。
──引き続き、上半期を振り返っていきましょう。
YOSHIROTTEN:4月には、韓国で開催したエルメスのショーに呼んでいただきました。今回は見に行くだけでしたが、アーティスティック・デザイナーのヴェロニク・ニシャニアンやエルメスのクリエイティブチームに久しぶりにあえて嬉しかったです。アフターパーティの会場も、コレクションテーマにあわせて海の中のような演出で面白かった。


──韓国ではどこか展示やお店などは行きましたか?
YOSHIROTTEN:「POST POETICS」のオーナーのワンさんにアートギャラリー「Work with friend」とレコードショップ「Listening with friend」が併設している場所に連れてってもらいました。1階には、ジャン・ジュリアンのイメージが施されたカフェ「Fuglen Seoul」があったりして。そこでは、お店を経営してるミュージシャンのレコードを買いました。
ノリ:こんな場所あるんですね。
YOSHIROTTEN:帰国後は、長野にある「そばハウス安曇野」に行ってきました。長野出身の友だち夫婦がやってる場所で、古民家を活用したプロジェクトは最近たくさんありますが、そのなかでもちゃんとローカルに根付いた試みをしていて面白かったです。サウナも温泉も入ってきて。フードロスについても取り組んでいて、蕎麦打ちもできて。僕は、自分で打った十割蕎麦を食べました。


──名前からしてよしろーさんにぴったりな場所ですね。
YOSHIROTTEN:それから3月には、 Muleからリリースされた70年~90年代のジャパニーズアンビエントのコンピレーションのレコードデザインをしたり。
4月に行われた Rainbow Disco Clubでは 、イヤーウェアブランド「LOOP」のパッケージとプロダクトのカラーデザインを行いました。

ノリ:いいなあ、ほぼ毎年いってたけど今年は行けなかった。
YOSHIROTTEN:僕は去年行けなかったな。今回「LOOP」とRainbow Disco Clubは初めてのコラボレーションだったらしいんだけど、最近のフェスでは自分が聴きたい音に集中するために、あえてノイズキャンセリングのイヤフォンをしたりするらしくて。子どももイヤプラグの代わりとしても使えるからね。
ノリ:そのあとに、霧島アートの森での展示でご縁ができた業務用食品卸会社の「西原商会」とのプロジェクトの公開がありましたよね。全国に食品を届ける会社の活動からインスピレーションを受けて制作したコミッションワークをオフィスに設置して、期間限定で社屋のガラス一面に作品を展示してます。お披露目の一晩限定で社屋全体にマッピングも投影しました。
YOSHIROTTEN:ロゴを使ったアートワークを作って、それをタカカーンの音楽と一緒に映像作品として制作しました。


YOSHIROTTEN:5月には平井堅さんの6年ぶりのライブ演出も行いました。このライブはほとんどアコースティック中心なんですが、堅さんの声が横アリに響きとても素晴らしかったです。次回はXGのライブ、そしてジャガー、大阪で発表した大型作品のことも。あ!あととコジコジもっ!





グラフィックアーティスト、アートディレクター
1983年生まれ。デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、領域を往来するアーティスト。2015年にクリエイティブスタジオ「YAR」を設立。銀色の太陽を描いた365枚のデジタルイメージを軸に、さまざまな媒体で表現した「SUN」シリーズを発表し話題に。24年秋に鹿児島県霧島アートの森にて自身初となる美術館での個展が決定。
Official Site / YAR
1983年生まれ。デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、領域を往来するアーティスト。2015年にクリエイティブスタジオ「YAR」を設立。銀色の太陽を描いた365枚のデジタルイメージを軸に、さまざまな媒体で表現した「SUN」シリーズを発表し話題に。24年秋に鹿児島県霧島アートの森にて自身初となる美術館での個展が決定。
Official Site / YAR