藤田嗣治や里見宗次の貴重な作品も! アジアからパリの近代美術を紐解く大規模展

  • 文:葛西玲子
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SINGAPORE シンガポール

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本展のキービジュアルは、近年国内でも再評価されている板倉鼎の「赤衣の女」。本作のモデルとなった、妻・須美子自身が描いた絵画も展示されている。 松戸市教育委員会所蔵

ナショナルギャラリーで開催中の大規模展「他者の街:1920~40年代のパリにおけるアジア人芸術家たち」の内容が大充実していると話題だ。本展は、当時パリに滞在していた、植民地を含むアジア人作家の作品を6年かけて約200点も集め、近代芸術文化が花開いたパリの美術史をアジア各国の視点から読み解いている。

パリで活躍した日本人を代表するアーティスト、藤田嗣治の作品はもちろん、パリで長く活動したグラフィックデザイナー・里見宗次のポスターや漆芸家・浜中勝の貴重な立体作品なども揃っている。そのほか、普段お目にかかれないような日本人作家たちの作品も豊富で、どれも目を奪われるものばかりだ。

www.nationalgallery.sg/sg/en.html

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斬新な里見宗次の観光客誘致用ポスターは、1937年のパリ万博で受賞した。 © Pierre Satomi

※この記事はPen 2025年8月号より再編集した記事です。