テニス四大大会の中でも、最も格式高い大会とされるウィンブルドン。イギリス・ロンドン郊外の静かな芝コートを舞台に繰り広げられるこのトーナメントは、1877年の創設以来、伝統と品位を重んじることで知られてきた。そして、その舞台裏を静かに支えるのが、ラルフ ローレンだ。2006年から公式アウトフィッターとして、審判やボールパーソンなどオンコートスタッフが装うユニフォームを提供している。

白のウェア、8㎜に整えられた芝、センターコートの幾何学的なライン。そこには、スポーツという枠を超えた“様式”が宿る。ラルフ ローレンが手掛けるユニフォームもまた、単なる競技用の衣装ではない。クラフツマンシップに支えられたテーラリングと、ネイビーとクリームを基調とした配色には、静謐な美意識が息づいている。そうした佇まいが、この大会の空気感をより確かなものにしているのだ。
2025年のコレクションでは、その精神性がさらに明快なかたちで表れている。バーシティジャケットには選手権限定のグラフィックが刺繍され、キャンプシャツにはヴィンテージテニスを想起させるモチーフがあしらわれた。シャープなラインと軽やかな素材感が印象的で、夏の英国を彩る白の様式美を現代に引き継いでいる。いずれのアイテムも、伝統をなぞるだけではなく、そこに新たな空気を吹き込むことに成功している点が見逃せない。
この“白”には、単に涼しげな印象以上の意味がある。1884年の第1回女子シングルス決勝で、ワトソン姉妹が白のドレスを纏ってプレーしたことが評判を呼び、以来「テニスウェアは白」という規律がこの大会では厳格に守られるようになった。潔白さ、誠実さ、そして控えめなエレガンス。ラルフ ローレンのユニフォームには、そうした精神性までもが縫い込まれている。
また、この大会を訪れる観戦者たちの装いにも、同ブランドの美意識は色濃く反映されていた。観戦スタイル——いわば“スペクテイター・スタイル”——は、単なる服装ではなく、その場にふさわしい所作や態度も含めたスタイルとして、近年あらためて注目を集めている。ラルフ ローレンは、この観戦の場においても、タイムレスな装いを提示し続けてきた。
今大会には、日本から俳優・浅野忠信と中田くるみ夫妻、モデルの森星らも来場。ラルフ ローレンの装いに身を包み、センターコートで繰り広げられる熱戦に静かに目を凝らしていたのが印象的だった。
テニスの名勝負を彩るのは、技術だけではない。芝の上に引かれた白線のように、装いにもまた、精密で美しい“線”がある。ラルフ ローレンが描き続けるその線は、伝統の只中にいながら、常に時代の先を見据えている。
---fadeinPager---




ラルフ ローレン
TEL:0120-3274-20
https://www.ralphlauren.co.jp/