唯一無二のAI撮影技術を搭載。「Sony Xperia 1 VII」が誕生【麻倉怜士が選ぶ今月の家電】

  • 文:麻倉怜士
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〈スマートフォン〉
Sony Xperia 1 VII(ソニー エクスペリア ワン マークセブン SIM フリーモデル RAM16GB)

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ウォークマンの部品を新たに搭載し、エクスペリア史上最高の音質に。有線でも、ワイヤレスでも、クリアで臨場感のある音楽体験を提供する。¥235,000 前後(市場想定価格)

なんでもかんでもAIになる昨今だが、プラットフォーマーが開発した生成AIを唯々諾々と使うのではなく、他の追随を許さない地平で独自の提案をするのが、ソニーの「エクスペリア 1 Ⅶ」だ。最新のアンドロイドだから、Googleの編集マジックや生成AIのGeminiなどは搭載されているが、それは目玉ではない。

ワン・アンド・オンリーのAI使いは、その名も「AIカメラワーク」。動画撮影で被写体をタップしてロックすると、その被写体が四角で囲われ、常に画面の中央に位置させる機能だ。撮影者はスマホを見ながら撮るので、撮られる側はスマホと話すような感じになるが、この「AIカメラワーク」では、大まかにスマホを相手に向けるだけで、被写体をセンターに収めてくれるから、撮影者と被写体は目を見て話せる。センターから外れそうになると矢印が出て、スマホをその方向に動かすように指示する。このスマッシュ機能が実現したのは、優秀な超広角カメラ+強力な手ぶれ補正+お手柄のAIを活用した姿勢推定技術の合わせ技によるもの。

引きと寄りのふたつの動画を一度の撮影でこなせる「オートフレーミング」も注目。フレーム全体動画と、注目する被写体のアップ動画を同時に撮影できる。4K動画から、白い枠で囲った任意の2K部分を切り出し、両方とも自動で保存できるのだ。全体の雰囲気と主役のアップを同時に撮れるのだから、よき思い出が撮れる。

どちらも「こんなことができたらよいのに」とユーザーの我々が密かに感じていたことを、見事に実現したのだから驚く。

最近、存在感がやや影を潜めていたエクスペリアだが、いやいや、斬新さを生み出すソニーの旺盛な開発精神は、不変だ。

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ディスプレイと背面に配したセンサーで、環境に応じて明るさ、色域、色温度を調整。直射日光下での視認性を上げる機能も備えており、屋外での視聴はより快適になった。

麻倉 怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/Xperia サポート
https://xperia.sony.jp/support

※この記事はPen 2025年8月号より再編集した記事です。