若手からファッションメゾンまで、注目のプロダクトたち
今年はエウロルーチェ(照明)の年だったがファブリックも多数登場。ファッションメゾンのアイテムから新進気鋭の若手の照明まで、編集部がセレクトする注目アイテムを一挙に紹介しよう。
いま、ヴィンテージが面白い。本特集では、目の肥えたクリエイターたちが愛用している品から、いま訪れるべき話題のギャラリーや海外での暮らし、人気店のオーナーが目をつけているネクストブレイクまで、ヴィンテージの魅力や注目アイテムを徹底取材してお届けする。ようこそ、まだ見ぬ、奥深きヴィンテージの世界へ。
『ようこそ、 ヴィンテージへ』
Pen 2025年8月号 ¥990(税込)
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1.ひねりが加えられた背とアームの曲線美
ポリフォーム
ブランドディレクターであるジャン=マリー・マッソーの新作ソファ「オーウェン」。背がメビウスの帯のようにアームレストへとつながっているデザインが特徴的だ。脚部はしっかりとした木製のフレームで、ミッドセンチュリーの美学からインスピレーションを得てデザインされたという。写真のひとり掛け用のほかに3人掛けもある。張地はファブリックまたはレザーから選択可能。日本での発売は2025年秋以降を予定。

photo: Poliform
2.日本の職人技が光る、軽やかなラウンジチェア
リッツウェル
今年で15回目のミラノサローネ出展となったリッツウェルは、ブースが昨年よりも大幅に拡大。8年ぶりの発表となったソファ「ヴェラール」などをお披露目した。なかでもラウンジチェア「ヴェスパー」は、リッツウェルが得意とする職人の技が光るアームチェアだ。曲線が美しいスチールフレームに、身体に沿うような背もたれがあり、肘掛け部分は厚革を手作業で編み込んでいる。60 種類以上の張地から選べる。7月30日から発売。

photo: Marco Reggi
3.スイスと日本が生み出した、万博のための家具
カリモクニュースタンダード
KNSは、大阪・関西万博のスイスパビリオンのための「ハグ チェア」の開発をサポート。2脚を向かい合わせてスタッキングすると「ハグ」しているように見えることから名付けられた。これはスイスの名門ECALの学生たちがデザインした椅子のひとつで、ミン・シャオとヤコブ・クートフーフド・モーテンソンによってデザインされた。ミラノでは木目を活かした白と写真の赤色を展示。パビリオンでは60脚採用されたが発売はあいにく未定。

photo: ECAL_MarvinMerkel
4.バターのようにとろけそう、ベッドのようなソファ
タッキーニ
フェイ・トゥーグッドによるユニークなソファ「バター」がお目見え。その名の通り「やわらかなバターのように心地よく、触り心地のいい椅子をつくりたかった」と彼女はコメント。ソファを複数組み合わせることで、写真のようなベッドのような姿にも、L字型のラグジュアリーな大型ソファにもなる。なめらかな触り心地の生地で、一度座ればバターのように溶けてしまいそうなリラックス感あふれるソファだ。日本からも注文可能。

photo: Tacchini
5.ペリアンがデザインした、知られざる名作が登場
サンローラン
サンローランは、シャルロット・ペリアンの未発表の家具を復刻し展示・限定販売した。イヴ・サンローランは生涯を通じてペリアンのデザインを収集、パートナーのピエール・ベルジェはペリアンの回顧展を支援するなど古くからつながりがあった。今回発表されたひとつ、坂倉準三の設計したパリの日本大使公邸のためのソファは、1967年にペリアンがデザインした、約7mを超える大型のバンケットソファ。他にも3種の家具が展開された。

photo: SAINT LAURENT
6.ジル・サンダーの視点で、バウハウスを再解釈
トーネット
学生時代からバウハウスに影響を受けたというジル・サンダー。バウハウスの巨匠、マルセル・ブロイヤーが1929年にデザインした「S 64 カンチレバーチェア」「B 97 サイドテーブル」を、彼女の視点から再解釈した特別なコレクション「JS. トーネット」が登場。ナチュラルなオーク材を基調とした「ノルディック」と、光沢感とシックなカラーでまとめられた「シリアス」(写真)のふたつのラインが誕生した。発売中、日本からも購入できる。

photo: JS.THONET