椅子研究の第一人者、織田憲嗣のコレクションを展示。その中でも必見の6脚とは?

  • 編集&文:佐野慎悟
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日本における椅子研究の第一人者であり、55年にわたって世界の名作家具や日用品を収集してきた織田憲嗣。長年暮らした北海道旭川近郊の自邸を次の世代へと継承するための後継者として、国内外でブランディングを手掛け、国内外でブランディングを手掛け、プロジェクト「KIGENZEN」を展開する大長将之と相澤真諭子の夫妻を選んだ。

織田コレクションの中から名作チェアを並べた展覧会が、北海道旭川市と東川町で開催中だ。その中で、ふたりが特に注目すべき6脚をセレクトし解説する。

いま、ヴィンテージが面白い。本特集では、目の肥えたクリエイターたちが愛用している品から、いま訪れるべき話題のギャラリーや海外での暮らし、人気店のオーナーが目をつけているネクストブレイクまで、ヴィンテージの魅力や注目アイテムを徹底取材してお届けする。ようこそ、まだ見ぬ、奥深きヴィンテージの世界へ。

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①コーア・クリントのデッキチェア

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1933年製、東川町のせんとぴゅあで展示。

古典的な椅子の形態を正統に受け継ぎながら、モダンデザインへと橋渡しをしたコーア・クリントのデッキチェア。「人間工学的なアプローチでも知られ、身体の寸法をもとにした美しい比率で形成されています」(大長)。

②コーア・クリントのファーボーチェア

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1914年製、旭川デザインセンターで展示。

ファーボー市の美術館のためにコーア・クリントがデザインした、デンマーク近代家具の原点とも称されるファーボーチェア。「コペンハーゲンに最後まで残っていた家具工房ルド・ラスムッセン製です」(相澤)。

③エリエル・サーリネンのブラック・ヴィラ・チェア

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1908年製、東川町のせんとぴゅあで展示。

フィンランドのヘルシンキ中央駅をデザインしたエリエル・サーリネンによるブラック・ヴィラ・チェア。「彼の建築や家具はシンメトリーの縦線の印象が強く、この椅子にもその作風がよく表れています」(相澤)。

④ポール・ケアホルムのPK20

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1967〜68年製、東川町のせんとぴゅあで展示。

ロンドンのV&A美術館のパーマネントコレクションにも収蔵されている、ポール・ケアホルムのPK20。「ベースが平面のキャンティレバーなので、床を傷つけず畳の部屋にも合わせやすいです」(相澤)。

⑤ベント・ヴィンゲのイージーチェア

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1958年製、東川町のせんとぴゅあで展示。

ベント・ヴィンゲのイージーチェアは珍しいノルウェー製で、曲線と直線のバランス感覚が秀逸。「完全な状態で現存するのは確認できる限りこの一脚のみ。織田コレクションの真髄です」(大長)。

⑥ブルーノ・マットソンの寝椅子

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1944年製、東川町のせんとぴゅあで展示。

織田愛用の寝椅子の別バージョン。「ブルーノ・マットソンは安楽性を追求したスウェーデンのデザイナーで、その快適さは暖炉の火を前にしていったん腰掛けると立てなくなってしまうほどです」(大長)。

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Timeless Nordic Design
-時代を超えて生きる、美しい生活デザイン

開催場所:北海道上川郡東川町北町1-1-1 せんとぴゅあ  
TEL:0166-82-2111
開催時期:〜11/24 
開場時間:10時〜17時(会場1) 9時〜21時(会場2)  
https://higashikawa-town.jp/CENTPURE

Masterpiece from Oda Collection

場所:北海道旭川市永山2条10-1-35 旭川デザインセンター 
TEL:0166-48-4135
開催時期:〜11/24 
開場時間:10時〜17時
https://asahikawadesign.com

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