今年5月、ボッテガ・ヴェネタのブランドを象徴するレザーの編み込み「イントレチャート」が、誕生50周年を迎えた。そこで、ボッテガ・ヴェネタが新たなキャンペーン『Craft is our Language(クラフトは私たちの言語)』をローンチ。写真と映像で展開される本キャンペーンは、多数のファッション雑誌や広告を手がけるジャック・デイヴィソンが撮影し、レニオ・カクレアが振り付けを担当。ボッテガ・ヴェネタの手仕事と創造性、そして手の動きが持つ普遍的な表現を、多様な美しさとして称えている。

1975年に初めて登場したイントレチャートは、まさにボッテガ・ヴェネタのブランディングを確立させたといえる存在。フェットゥーチェと呼ばれる細いレザーの紐を、ベースとなるレザーパネルや木型に合わせて、職人の手で編み上げてつくられていく。数時間、時には数日を要することもある工程は、職人の粘り強さと高度な技術を要する。この技法は、イタリアに古くから伝わる編み方の伝統と、ボッテガ・ヴェネタが生まれたヴェネト州のレザーワークの知識や経験、芸術的な想像力が融合している。革新的な斜め編みや緻密なプロポーション、卓越したレザーの品質がボッテガ・ヴェネタの特徴だ。
一人または二人の人物を捉えた構成で展開される『Craft is our Language』は、つくり手と使い手、アーティストと職人、手と心の対話が演出されている。言葉を超えたやりとりを通じ、身ぶりや手ぶりの共通点や、文化や慣習の枠を超え、「手」がコミュニケーションや、ものづくりにおいて果たす役割を探求していく。
キャンペーンに登場するのは、アート、映画、ファッション、文学、音楽、スポーツなど、さまざまな分野で活躍する世界中のクリエイターたち。シンガーソングライター兼音楽プロデューサーのジャック・アントノフ、映画監督のダリオ・アルジェントをはじめ、STRAY KIDSのI.Nや、レコーディングアーティスト兼プロデューサーのタイラー・オコンマなどが名を連ねる。日本からは、女優の宮沢りえが参加。
本キャンペーンでは、書籍も刊行予定。ボッテガ・ヴェネタの言葉、クラフト、価値観を表現した「辞書」となり、50種類のジェスチャーが紹介される。手がストーリーを語る。手が歴史を紡いでいく。



