〈ハイスチームエアーオーブン〉
récolte Hi Steam Air Oven RAO-3(レコルト ハイスチームエアーオーブン RAO-3)

プロの料理人が最も大切にしているのは“火入れ”だという。フライパンや鍋、グリルやオーブン、せいろなど、さまざまな調理器具を駆使して、料理に合った火入れを行う。ところがレコルトの「ハイスチームエアーオーブン」は、バスケットに食材を入れて放っておくだけ。これ一台で極上の火入れができるのだから恐れ入る。
その秘密は、500mLの水タンクとボイラーによってつくられたスチームが庫内を満たし、熱風が対流する“うるおい熱風”にある。つまり「蒸す」と「焼く」の合わせ技ということだ。下味を付けた豚バラ肉のブロックを160度のハイスチームで30分調理するだけで、パリッと香ばしい焦げ目が付き、とろけるような味わいの炙り焼豚が出来上がる。ふっくらと焼くのが難しいハンバーグの調理でも、その性能に驚くはず。フライパンで焦げ目を付けてからオーブンに入れたかのように、肉汁を内包してパンパンに膨らんだ最高の仕上がりとなる。手間のかかる低温調理もお手のもの。鶏むね肉をしっとりと蒸し上げ、特製のたれをかけたよだれ鶏は絶品だ。
付属のインナーポットを使えば、さらに調理の幅が広がる。火入れの手順を自在に変更できるコンボモードを備え、たとえば鯛めしなら、エアーオーブン機能で米の上にのせた鯛を焼いてから、ハイスチームで炊き上げる。逆にパエリアは、魚介の旨味を吸わせながら炊き、最後に熱風で焼いて仕上げるといった具合だ。
幅は約23㎝とスリムでコンパクトながらプロ顔負けの仕事をする様子は、業務用のスチコン(スチームコンベクションオーブン)の家庭版と言ったところか。料理好きも苦手意識のある人も、使ってみたくなること請け合いの最注目キッチン家電である。

神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と取材をもとに独自視点で発信。東京・広尾の「家電アトリエ」をベースに、テレビ出演や執筆、コンサルティングなど広く活躍中。問い合わせ先/ウィナーズ
TEL:03-6804-5538
※この記事はPen 2025年5月号より再編集した記事です。