松原博子、キム・ジュンスらによる、「曲線」を表現した日韓仏のアーティストによる3人展が開催

  • 文:門倉奈津子

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3人展『Courbe〈曲線〉』でヌード作品を出展するフォトグラファーの松原博子。アーティストのソフィア・ファネゴの身体が表すさまざまなかたち、肌の表面に浮かび上がる情景を切り取っている。 photo:Hiroko Matsubara

 

4月13日より開催されるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真展と同時開催されるサテライトイベント「KG+」にて、日韓仏のアーティストによる3人展『Courbe〈曲線〉』を開催する。

出身も表現方法も異なるこの3人のアーティストは、日本で主にファッションの分野で活躍するフォトグラファー松原博子、革を巻き上げた、流れるような造形で名高い韓国のキム・ジュンス、そして岩石に垂れるガラスを手吹きで表現するフランスのラティティア・ジャケトン。

松原博子が切り取るヌードは、夜空のように、風になびく草原のように、ひとりの身体のうちに自然の風景を見出す。キム・ジュンスはひとつの命が終わり残された革を余さず使い、独創的な手法で組み上げて弾力あるオブジェへと新しい命を導く。ラティティア・ジャケトンによる岩石を包むようなガラスは、瞬間を切り出したような生命力に満ち、再び動き出すのを待つようにとろりと留まるーー。

 

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韓国を拠点に活動するアーティスト、キム・ジュンス。革を細い弦状にして巻き上げ、ツボやオブジェなどさまざまな造形に表現する。独自のレザークラフトは、韓国のみならず世界各地で高く評価され、2022年にはロエベ財団 クラフトプライズ ファイナリストに選出された。

 

三者が奏でる曲線の連鎖。アーティストそれぞれが素材とする自然、生命との対話。その静かなダイアローグ、精神の交わり。それをいっそう見応えのあるものにしているのが、建築設計のほか、インテリアデザインなどでも幅広く活躍する工藤桃子による会場設計だ。

開催期間中、KYOTOGRAPHIEとあわせて、ぜひ会場に足を運んでみてほしい。

 

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マルタン・マルジェラなどファッションの世界でキャリアを積み、パリのギャラリー・ラファイエットでアートディレクターを務めたのち、沖縄の吹きガラスと出合いアーティストに転向。世界各地で採取した石にガラスを手吹きで重ねる。生のエネルギーや原始的な感情を込めた作品には、静止していながら生き生きとした流れが表れる。

 

KG+ 参加エキシビション
3人展『Courbe〈曲線〉』

開催期間:2024年4月13日(土)〜27日(土) ※休館日は4月22日(月)
開催場所:ギャラリー素形
京都府京都市中京区室町通二条下ル蛸薬師町271-1 然花抄院室町本店内
www.su-ga-ta.jp