独創的な技法で作品制作を行うアーティスト市川孝典の個展「DELUSIONAL murmur (#003)」が、東京・神宮前にあるGallery COMMONで2月10日(土)〜3月10日(日)に開催される。
市川孝典は、シャネル、タカヒロミヤシタザソロイスト.などトップブランドとも協業するアーティスト。本展覧会は、温度や太さなどで60種以上の線香を使い分け、下書きなしで和紙を焦がしながら描く「Scorch Paintings(線香画)」シリーズや、絵の具を重ね、色の積層を削り落とすことで下層のイメージを浮かび上がらせる「Scrape Works」シリーズを発表する大規模な個展となる。
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代表作の一つである「Scorch Paintings」は、火のついた線香で和紙に焦げ跡をつけて描写するというユニークなアプローチを取る。予測不能な燃焼反応をコントロールすることはさぞ難儀かと思われるが、市川はまず丁寧に、そしてたっぷりと時間をかけて、頭の中で完全なイメージをつくり上げることから始め、それが揺るぎないものとして確立された後、実際に手を動かし始めるのだという。
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同じく素材に和紙を用いた「Scrape Works」でも、インクや水彩絵の具、アクリル絵具やパステルを重ねるという工程を経た後に、それらの積層を削り落とすことでイメージを浮かび上がらせる重層的なプロセスを踏む。そこから生み出されたイメージは、苦悩に満ち、また少し暴力的ですらある市川の制作姿勢を反映しているが、実はそれこそが市川の根底にあるコンセプトだ。
自身の制作について「不安を安心に変える作業」と表現する市川は、何気ない日常の記憶が忘却することへの恐怖に対する不安を払拭するため、記憶を作品にしてストックしていくサイクルを繰り返す。
だからこそ本展は、日々つかみどころのない不安を感じている人にこそ足を運んでもらいたい。市川の作品に対峙すると、もやもやしていた心の奥底に、すっと光が差し込む感覚を覚えるはずだ。
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市川孝典「DELUSIONAL murmur (#003)」
開催期間:2024年2月10日(土)〜3月10日(日)
開催場所:Gallery COMMON
東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
TEL:03-6427-3827
開館時間:12時~19時
休館日:月、火
https://www.gallerycommon.com/ja