マランツ伝統の高品位な音づくりが効いた、アナログとデジタルをつなぐマルチなCD プレーヤー

  • イラスト:信濃八太郎
  • 編集:一ノ瀬 伸

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〈CDプレーヤー〉
Marantz CD 50n(マランツ CD 50n)

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高音質なCD再生に加え、ARC対応HDMIでネットワーク再生機能も備える「CD 50n」。プリメインアンプ「MODEL 50」も同時発売。各¥231,000

昨今の音楽伝送手段の激増に対応し、しかも格段の高音質を聴かせてくれるCDプレーヤーが登場した。パッケージメディアのCD再生のほか、USBメモリーやNAS(ネットワークHDD)、インターネット配信、Bluetooth送受信、音楽ストリーミングサービスなどほとんどのハイファイ・ハイレゾ音源が再生可能だ。

目玉は、ARC対応HDMI端子の搭載。映像コンテンツを伝送するHDMIはかつて、ホームシアター用のAVアンプやサウンドバーの御用達だったが、いまやプリメインアンプ、ネットワークプレーヤー、アクティブスピーカーなどのオーディオ機器にどんどん入ってきた。テレビで映像作品を見ることが当たり前になり、テレビ自体の貧弱な音ではなく、リッチな音で楽しみたいという強いニーズに応える業界的な動きだ。

本プレーヤーが内蔵する優秀なDAC(デジタルからアナログへの変換器)により、高音質でアナログ化されたテレビ音が、接続されたプリメインアンプやスピーカーによりリビングルームに放たれる。また、HDMI接続の利点が連動機能だ。テレビをオンにすると連動してプレーヤーの電源が入り、そのまま音量も調整できる。プレーヤー機器の可変出力の質にもこだわっている。

音質も素晴らしい。マランツ伝統の高品位な音づくりが効いている。ジャズボーカリスト・情家みえの『チーク・トゥ・チーク』(UAレコード)を聴くと、ボーカル、ベース、ピアノともに、しっかりとした音像とエネルギーをもち、明確に音場空間に浮かぶ。音の一粒一粒に力が漲り、その飛翔力と勢いはたいしたものだ。

高音質とマルチメディアが高い次元でバランスした名CDプレーヤーである。

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さまざまなデジタルソースをプレミアムHi-Fiグレードで再生。テレビなどに接続して、地上波番組や映画配信、ゲームなどを高音質で楽しむことができる。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/D&Mお客様相談センター
TEL:0570-666-112

※この記事はPen 2024年3月号より再編集した記事です。