2024年1月12日から14日にかけて開催された「東京オートサロン2024」のおもしろさってなんだろう。デザイン面からみどころの多いショーだった。市販車をベースに改造したモデルが多く、創造力を観て回るのが楽しいのだ。

 

 

クルマの改造というと、欧米ではかなりさかん。とくに米ロサンジェルス近辺で戦前からさかんなホットロッドやストリートロッドは、個人が思い思いに市販車を改造した車両である。

性能もさることながら、改造による出来映えを見るのがなんとも楽しい。一般的な評価も高く、美術本のような写真集も多数だし、世界中にコレクターがいるほど。毎年冬にラスベガスで開催されるSEMAショーのような改造車のイベントに必ず足を運んでインスピレーションをもらうという、自動車メーカーのデザイナーも少なくないようだ。

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オートサロン出展車もやはり、クルマへの愛情が高まって、結果、自分の思うように市販車に手を入れたような車両が多い。モータースポーツ志向が多いのだが、オフロードもあれば、きらびやかな豪華路面も、というぐあい。お金のかけかたというより、アイディアが評価されるのも、ヤル気を鼓舞されるようだ。

 

 

3日間しか開催期間がないこともあり、初日は金曜日だが、午前中から来場者が詰めかけていた。本来この時間帯はプレスデイといって、メディアが撮影したりインタビューをしたりするために用意されていたはずだけれど、出展者の知り合いや家族なのか、会場はハチ公前スクランブル交差点のおもむきを呈していた。

改造車人気の背景には、ドリフトなど、クルマを楽しみたい、という一般ユーザーの志向が大きく反映している。いまひとつ日本じゃ人気が盛り上がらないF1グランプリを尻目に、一般車両に近いクルマが走る国内レースや、自分のクルマでの走行会は、高い人気を維持しているのだ。

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そこで、自動車メーカーや、タイヤやボディパーツのメーカーも、オートサロンには熱心に取り組むことに。「モータースポーツはビジネスになります」（日本の自動車メーカーの広報担当者）というように、ノーマルの車両よりも利益率が高いのも、売るほうにとっての魅力なのだ。

2024年のオートサロンでは、トヨタガズーレーシング（GR）が例年どおり、大きなブースを出していたが、トヨタ自動車の豊田章男会長が「（今回のスピーチは）GRのプレスカンファレンスではありません、モリゾウからの挨拶」として、「クルマ好きの皆さんと一緒に未来を作っていきたい！」としたのが印象的だった。

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カーボンニュートラル化はバッテリーEV（BEV）だけの仕事でなく、エンジンでだって達成できるし、いいエンジンはクルマにおける大きな魅力なので、トヨタは新しいエンジンを開発していく、とした。

エンジンに関連するパーツなどを作る企業がさいきん銀行から資金を融資されない事実があるそうですが、とモリゾウこと豊田会長は前置きして「そんなこと、絶対にあってはならない」と強調していた。

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BEVだけが正義なのでなく、目標はカーボンニュートラルなのだということを見失わなければ、代替燃料などでエンジンの未来は明るい、とする。こういうことが堂々と言えて、集まったひとが納得したような顔でうなずいているのは、クルマ好きが集まるオートサロンなのではなのだろう。

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