10万円以下で実現する、JBLから登場した本格的なシアターサウンド「映像とのマッチングが最高!」

  • イラスト:信濃八太郎
  • 編集:一ノ瀬 伸

Share:

〈サウンドシステム〉
JBL BAR800(ジェイビーエル バー800)

1_JBL_BAR_800_GROUP_HERO_35685_x3.jpg
JBLの「BAR 800」は、サウンドバー本体、リアスピーカー、サブウーファーなど合計11基のスピーカードライバーが立体音響を実現。¥99,990(JBL公式ストア価格)

テレビの貧弱な音を改善し、シアター的な鑑賞体験を目指すサウンドバーには、人工的な響きを加えたり、曖昧に広がり感を付与する製品が多い。ところがJBLの「BAR800」は本格的である。JBLらしいブライトで闊達な音調が聴けるのだ。“JBLな音”とは明るく、飛翔感があり前向き、剛性が高く、スピードが速い。映像とのマッチングがとても好適だ。

サラウンドは正確な定位感としっかりした音像感をもった音場だ。ダイアローグなど前方に定位すべき音源は正確にセンターから発音し、一方で包まれ感が豊か。その秘密が、独立したリアスピーカー。5.1.2チャンネル再生の本機は、一体型サウンドバーとワイヤレスのサブウーファーからなる本体の左右に取り付けられているリアスピーカー部を取り外し、後方に置く。信号は独自の2.4GHzの低遅延ワイヤレス伝送で送られる。バッテリー駆動だから、AC電源は不要。

ほとんどのサウンドバーは平均的な頭部伝達関数(音がどのように体の表面を経由し耳に届くかのパターンデータ)を使い、不正確なサラウンド成分を前方から放出。本来は個人で大きく関数が違うのだが、大量生産の製品だから個別化は不可能なので平均値で処理する。当然、サラウンド感は不自然になる。だが本機はリアスピーカーから音を発するところが違う。

リッチなイマーシブ音場を成り立たせるもうひとつの工夫がビームフォーミング。音をビーム状に放射、部屋の四方の壁に反射させ、聴取位置に側面から音を届ける。前方のサウンドバーとリアスピーカーの間を音のビームがつなぐ。緻密で隙のないリッチな音場が、明朗で高剛性なJBLサウンドで聴ける、映画鑑賞御用達サウンドバーだ。

2_220524_JBL_Soundbar_800_Product_AW_8444_x4 copy.jpg
250㎜の大口径のサブウーファーは、映画の演出に欠かせないキレのある重低音を放つ。夜間など近隣への音漏れが気になる場合は、低音レベルを5段階で調整することも可能。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/JBL製品サポート
https://support.jbl.com

※この記事はPen 2024年2月号より再編集した記事です。