千利休の侘び茶の心を汲んだ初代長次郎を祖とし、茶碗師として、その伝統と革新性を450年以上にわたって一子相伝で脈々と受け継いできた京都の樂家。15代樂吉左衞門から改名した樂直入と、その次男で石の彫刻家として知られる樂雅臣による、初めてのふたり展が開催される。
2019年の改名後は、侘び茶の思考や伝統から離れ、純粋造形としての茶碗の制作に没頭する樂直入。本展では、大胆な箆(へら)削りと焼貫技法を駆使した独自の世界観をさらに力強く進化させた「White Rock」「Black Rock」を出品する。
自然を生かし、造形と共存した作品づくりをする樂雅臣は、2023年に長年構想してきた「石器」シリーズを発表した。溶結凝灰岩を器状に彫刻し、さらに焼き物の窯で焼成した石の茶碗だ。これまで発表した「輪廻」、「Stone box」シリーズと同様に、輪廻というテーマがある。会場にはこの新作「石器」シリーズが並ぶ。
石が土となり、また土は石となる。その巡りの中で、石からアプローチする息子と、土からアプローチする父。樂家のふたりの芸術家による、静かで熱いセッションをお見逃しなく。
『石をやく 土をやく 樂雅臣 樂直入
Firing stone/Firing clay Masaomi Raku/Jikinyu Raku』
開催期間:2024 年 1 月 2 日(火)〜1月29 日(月) ※会期中無休
開催場所:美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹 7 階隣接)
開館時間:10時〜19時30分 ※最終入館19時
入館料:一般¥1,000
TEL:075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹 大代表)
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/