次世代のメタバース空間として、日本テレビ放送網株式会社が開局70年を記念して開設した「日テレイマジナリウム」。メディアテクノロジーによって実現する想像/創造力のミュージアムとして、誰もが自由に参加でき、共有できるクリエイティブな表現の理想郷とするメタバース空間の中において、さまざまなアート&エンターテインメントが集まるフェスイベントが開かれている。そこでは最先端のアーティストがつくる新たな作品をはじめ、VTuberとのライブ祭りやトーク集会、またアイドルグループが観客へと親しく語りかけたり、バンドによるミュージックビデオの音楽体験ができるなど、かつてないようなメタバースならではのユニークなコンテンツが用意されている。
このフェスと同時に開催されているのが、メタバース上に拡がるメディアテクノロジーによる作品を公募し、優秀者を表彰する「日テレイマジナリウムアワード2023」だ。アワードではメタバース部門、XR部門、フリースタイルコンピューティング部門の3つの部門からプロジェクトを募集。各部門にて入賞者を選定の上、インタラクティヴ・メディア研究者の筧康明やメディアアーティストの八谷和彦、それに明和電機の土佐信道によってグランプリ『自動運転車とぶつかる(ぶつからない)方法』が決定された。これはAIの死角を発見するためにあえて自動運転車にぶつかりにいくゲームだが、プレイヤーのアプローチが成功するたびに、AIが歩行者を検知できないデータが蓄積され、より安全な自動運転技術の進化に寄与する可能性があるという独創性の高い作品だ。
「日テレイマジナリウム」の作品はメタバース空間でも楽しめるが、東京都現代美術館の「MOTアニュアル extra」でもプロジェクトが無料にて紹介されている。リアル会場ではアーティストやタレントが提供したドット絵などが展示されているほか、全3部門のアワード受賞作品をVRのゴーグルを通してより没入的に体感することができる。なお「MOTアニュアル extra」とは、「MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ」とシームレスに行われている企画で、東京大学、東京藝術大学、大阪芸術大学といった各教育機関による研究の紹介展示や、パナソニック株式会社デザイン本部 FUTURE LIFE FACTORYによる「KOTOBATABI」のARインタラクティブツールなど、XR領域や空間アーカイブなどに関する活動を展開しているプロジェクトも鑑賞できる。
リアルとバーチャルの世界を行き来しながら新しい価値観を提案する「日テレイマジナリウム」。このほかにもメタバース空間は参加アーティストが作り上げたアートで彩られたり、観客と一緒に作り上げるコンテンツが展開するなど盛りだくさん。またメタバース会場は入場券を購入すると、会期中何度でも入場可能な上、フェス参加者がデザインしたデジタルアートが特典でついてくる。さらにアワード受賞作品を紹介するリアル会場が全国へと巡回する予定があるなど、複数年から未来へ向けて拡大して展開していくという。いまも次々と多様なイベントが発表される「日テレイマジナリウム」の最新情報は公式SNS(@ntvimg)にて精力的に発信中だ。こちらをチェックしながら次世代型のメタバースフェスを楽しみたい。
『日テレイマジナリウム 2023』
メタバース会場:日テレイマジナリウム
リアル会場:MOTアニュアル extra [東京都現代美術館 企画展示室地下2階、ホワイエ]
開催期間:2023年12月9日(土)〜2024年3月3日(日)
https://www.ntv.co.jp/imaginarium/