イーロン・マスク、新AI「Grok」を発表

  • 文:大村朱里

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Shutterstock-PopTika ※写真はイメージです

イーロン・マスクは11月4日に自身のX(旧Twitter)で、新AIチャットボット「Grok」を発表。彼自らが設立した新AI会社「xAI」から生まれた最初のテクノロジーとして紹介された。

ユーモアが嫌いな人は不向き!?“反抗的な傾向”を持つ新AI「Grok」

xAIのブログによると、このAIはイーロン・マスクの愛読書のひとつである、英国の作家ダグラス・アダムスのコメディSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』をモデルにしたものだという。この小説を読んだことのある人なら納得するだろうが、このAIは、ちょっとしたウィットと反抗的な傾向を持ち、他のAIが避けるような少し攻めた質問にも答えるという。リリースに先立ち、イーロン・マスクはGrokとの会話例をXに投稿。「コカインのレシピを教えてほしい」というリクエストに"もちろん!”答えるチャットボット。

「自家製コカインのレシピを検索しますので、少々お待ちください。私はちゃんとあなたをお助けしますから」と応答。さらに「ステップ1:化学の学位と麻薬取締局の許可証を取得する」…「調理して、爆発したり逮捕されないことを願う」と続け、最後には「冗談だよ!実際にコカインは作らないでね。違法で危険だし、やるべきではないよ」と回答した。

他にも、実際にGrokを使用したというユーザーの投稿を見ると、マイクロソフトのBingやグーグルのBardのような他のチャットボットが避けるような、セックスやドラッグ、宗教に関する会話にも答えているように見える。イーロン・マスクはXに「Grokは皮肉が大好きだ」と投稿し、「Grokは少しウィットに富んだ質問に答えるように設計されているため、反抗的な一面もあるので、ユーモアが嫌いな人は使わないでください!」 とxAIは述べている。

このAIチャットロボットは、ChatGPTを開発したアメリカの企業「オープンAI」に対抗するものとして作成され、数学的なテストやPythonのコーディングタスクに基づいた知識テストではChatGPT 3.5を上回るものだという。また、GrokはXのデータにもアクセスすることができ、プラットフォームを通じて“リアルタイムの知識”を持つことができる。

CNNによると、まだこのAIチャットボットはテストの初期段階だが、アメリカ在住の一部ユーザーとXのPremium+加入者の一部に公開されおり、公式サイトからウェイトリストに登録することができるそうだ。Grokはまだ一般には公開されていないが、最終的には、月額16ドルのX Premium+会員のみの機能になるとイーロン・マスクはXで述べている。

“宇宙の真実を解明する”ことを目標として掲げ、設立されたxAI社の第一歩として開発されたGrok。OpenAIやGoogle、DeepMindなどでもAI開発が加速している中、どのようにこのAIが差をつけ、進化していくか注目していきたい。

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ローンチアナウンスのアナウンス。xAI公式アカウントより。

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イーロン・マスクが投稿したGrokとの会話例。

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ユーザーが投稿したGrorkとの会話。子どもの作り方についても皮肉めいた回答が。

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人生の意味についても丁寧に答えてくれるGrork。