パリへの旅は、小さくて快適で、センスのいいホテル選びから始まる

  • 文:Pen編集部

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ヴィンテージの家具が置かれた客室は、長年過ごしたアパルトマンのような趣。写真は最上階にあるスイートルーム。

パリへの旅は、いつも特別だ。美術館を訪れ名作絵画を堪能したり、ハイブランドの本店で魅惑の世界に浸ったり。アンティークショップを覗くのも楽しいし、街角のカフェでぼんやり過ごす時間もいい。

2024年のオリンピック開催を控え、この街はふたたび活気にあふれている。世界中から人々を引き寄せて、賑わいが街じゅうを包みこみ、祝祭の日々はもう始まっている。

この街を訪れたら、パリジャンになった気分で暮らすように過ごすのがおすすめだ。ホテルを選ぶなら、部屋数の多いグローバルチェーンのホテルではなく、街にたたずむ小規模なホテルがいい。そのひとつとしてお勧めしたいのが、パリの中心、9区にあるムッシュ・カデ・ホテル&スパだ。

オーナーは、パリに拠点を置くアドレスホテルズ。旅好きたちに口こみでシェアされる宿を目指して、小規模かつスタイリッシュ、快適性を備えたホテルをパリ市内を中心にフランス国内で運営している。

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ムッシュ・カデがあるのは9区、グランブールヴァール地区。

ムッシュ・カデがあるのは、飲食店が軒を連ね、パリジャンたちも集まるエリアだ。その名をとったカデ通りはポワソヌリー(魚屋)、ブシュリー(精肉店)が軒を連ねる気さくな通りだ。ホテルはこの通りにビストロテーブルと椅子を並べ、夏の間はアイスクリーム屋台をオープン、賑わいに一役を買っている。

メトロのオペラやグランブールヴァール駅から徒歩で数分という立地は、パリ市内のほかのエリアに行くのも便利だ。プランタンやギャラリーラファイエットも徒歩圏内で、ルーブル美術館やセーヌ河岸へもバスやメトロを使わずたどり着けるのがありがたい。

実際にパリに着いたら、まずは足で街を歩いてみよう。メトロまでの最短ルートを見つけたり、お気に入りのカフェを探したり。自分の足で地図を確かめ、街の“感じ”が掴めれば、フットワークは軽くなる。

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ダブルルーム。アール・デコを基調に、タイムレスな雰囲気を漂わせる。

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モダン&クラシックをミックスした、装飾的だが華美ではないインテリア。

客室は全29室。最上階にはふたつのスイートルームが設けられている。部屋ごとにインテリアの趣は異なるが、アール・デコ調にモダンな要素をミックス。スモーキーなグリーンやパープル、グラフィカルパターンの壁紙で彩られた空間は、シンプルな東京テイストに慣れた目に新鮮だ。

現代のデザイン家具とヴィンテージが混じり合った空間は趣味がよく、最新の感性とクラシシシズムとが渾然一体となったパリの街にも相通ずるようだ。窓を開ければ石畳の通りを見渡せ、行き交う人々の挨拶の声やバイクの音、自動車のクラクションなど、この街ならではのざわめきが心地よい。

接客は襟を正しつつもカジュアルで、適度な距離感。例え短い滞在だとしても、気の置けない時間を過ごし、自分の部屋のように過ごせるはずだ。さて次のパリ行きは、こんな宿に泊まってみてはいかがだろうか。

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部屋にはデスクワークできるテーブルが設蹴られている。アンティーク家具が心地いい。
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一階のラウンジスペース。夜にはカクテルバーとなって、穏やかな時間を過ごせる。
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朝食はビュッフェスタイル。多忙な朝はルームサービスを取ることもできる。

Monsieur Cadet, Hôtel & Spa

4 rue Cadet 75009 Paris, France
TEL:33(0)1-76-76-69-26
www.monsieurcadet.com