「地上最大のスクリーン!」ラスベガス球体会場の内部が明らかに…『ブラック・スワン』アロノフスキー監督が動画で披露

  • 文:青葉やまと

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「MSGスフィア」の外観。pherevegas-Instagram

ラスベガスにオープンした巨大な球体スクリーン「MSGスフィア」について、同会場の映像コンテンツのひとつを手がけるダーレン・アロノフスキー監督(『ブラック・スワン』)が、内部会場のリハーサルの光景をソーシャルメディアに投稿。天球を覆う迫力のスクリーンが明らかになった。

MSGスフィアは、ラスベガスに新たにオープンする巨大建造物だ。高さ約112メートルはおよそ30階建てのビルに相当し、5万㎡を超える球体表面のほぼ全域がLEDで覆われている。

外部のスクリーンが7月4日の独立記念日から既に稼働し、惑星など幻想的な光景を投影し話題になっていた。内部のコンサートホールは9月29日のU2ライブをもってオープンとなるが、秘密のベールに包まれていた内部ホールの様子が今回、初めて披露された。

見上げればマンモス…球形スクリーンの大迫力

今回アロノフスキー監督が新たに、地上最大のスクリーンを持つ内部の劇場空間を初めて動画で公開した。観客席の天空を覆い尽くすスクリーンから、映像中のマンモスが迫力の姿を見せつける。

映像は、10月6日にMSGスフィアで公開が予定されているネイチャー映画『ポストカード・フロム・アース(地球からの便り)』のテスト上映を撮影したものだ。

観客席中央のテックブース付近からiPhoneで撮影されたこの映像は、作品の1シーンを収めている。MSGスフィア内の巨大スクリーンに、1頭のマンモスが登場。草木が茂る野外を悠々と闊歩する。

マンモスは次第にカメラへ近づき、カメラはマンモスの巨体を見上げるアングルに。天頂から観客席を見下ろすマンモスは、球体スクリーンならではの迫力を見せつける。

5大陸から集めた映像美を、18Kの大画面で

作品はMSGスフィア専用に開発されたもので、同会場の限定上映となる。アロノフスキー監督は投稿を通じ、「地上最大の18K、60fpsスクリーン」とコメントし、スクリーンの桁外れのスペックを強調している。

米エンターテイメント・カルチャー専門メディアのコンシークエンスによると、映像作品のデータサイズは50万ギガバイト(0.5ペタバイト)に達する。

監督は、自ら手がけた上映作品『ポストカード・フロム・アース』について、「全大陸で撮影した、 母なる地球へのラブレター。信じられないほどやりがいのあるものだった」と苦労を語っている。「(撮影に使った)私のiPhoneでは、解像度を捉えきれない」ほどだとも述べており、ぜひ現地で鑑賞してほしいと考えているようだ。

鑑賞体験に関しては、「時折、自分がどこにいるのか忘れてしまい、私たちの家(地球)の反対側に連れて行かれる」ような感覚が待っていると述べ、没入感のある映像体験を約束している。

16万個のスピーカーが観客席を包む

MSGスフィアは、音響も最高の設備を揃えた。会場を包み込むように16万個のスピーカーが埋め込まれている。

9月29日のこけら落とし公演「Achtung Baby: Live At Sphere」を担うロックバンドのU2は、会場の音響に大いに満足しているようだ。ボーカルでフロントマンのボノは、Apple Musicのインタビュー番組において、「スピーカーはない。建物全体がスピーカーなんだ」と形容した。

ボノは続けて、「だから、どこにいても完璧なサウンドが楽しめるよう設計されている」とも強調している。

映像にも音響にも妥協ないMSGスフィアの内部会場は、2万人収容の世界最大の球体建造物となる。いよいよ9月29日、穏やかであり力強くもあるU2のサウンドで幕を開ける。

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マンモスが迫力の姿を見せつける、アロノフスキー監督のInstagram。「(撮影に使った)私のiPhoneでは、解像度を捉えきれない」ほどだという。

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 調整中の様子を捉えた映像。

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ロケットの打ち上げを大スクリーンで。見上げるアングルの迫力は別格だ。

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こちらはスフィア外観。オープン直後、月を上映中の様子をドローンで捉えたショット。

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街中に構えるスフィアは変幻自在。球形を生かした絵文字のディスプレイで話題を振りまく。