Pen最新号は『デザインと手仕事』。テクノロジーの進化が目覚ましい現代において、いま改めて人々は、手仕事に魅了されている。しかもそれを、使い手である私たちだけではなく、つくり手であるデザイナーや建築家たちこそが感じている。手仕事に惹かれるのは、手の温もりを感じられるから──そんなひと言にとどまらない答えが、ここにある。
『デザインと手仕事』
Pen 2023年10月号 ¥880(税込)
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石川・小松空港からほど近い加賀市の国道沿いにあるフェートンは、オーナーの坂矢悠詞人が世界各地から集めた、嗜好性の高いアイテムが並ぶセレクトショップ。独自の審美眼をもつ坂矢さんの琴線に触れるアイテムには、一体どんな共通点があるのだろうか?
「こんな言い方をするとスピリチュアルじみた感じに聞こえるかもしれませんが、僕はものがもっている“波動”の強さをもの選びの基準にしています。つくり手の思想、哲学、情熱、愛情などが込められたものには強い波動があって、それを正確に受け取ることで、つくり手との波動の交換が成り立つと思っています。手仕事やデザインというものは、その人にしか生み出せないものですから、それがたとえば世界に1点のものでも、大量生産されたものでも、波動は等しく宿っています」
その受け取り方や相性は人それぞれ。自分のためだけに目の前で演奏された音楽に感動した人が、デジタル配信で聴く音楽に感動できないというわけではない。
「僕はクルマも大好きですが、その理由もやっぱり同じで、いろんな人の手仕事やデザイン哲学が波動として感じられて、しかも自分で動かせるっていうところに、強く心をつかまれているのだと思います」