オーデマ ピゲは7月、世界初の施設を東京・原宿エリアにオープンした。敷居の高さを感じさせない“ラボ”というカタチで、ゲームや体験を通して高級腕時計の世界に触れることができる実験的で稀有な施設だ。
ゲームで遊びながら時の概念を学ぶ、エデュテインメント
オーデマ ピゲはこの夏、世界初登場となる体験型施設をここ日本にオープンさせた。その名も「AP LAB Tokyo(エーピー ラボ トウキョウ)」は、知的好奇心を楽しみながら満たす、“エデュテインメント”(教育+娯楽)施設だ。場所は原宿・表参道のメインストリートのすぐ裏手。洒落者が行き交う絶好のロケーションに忽然と現れた建物が、人々の足を止めさせる。
まず目を惹くのは、ブロンズ色のメッシュで建物全面を覆うスタイリッシュな外観だ。この意匠はまさにオーデマ ピゲのスイス本社、ル・ブラッシュの「ミュゼアトリエ オーデマ ピゲ」に共通するものだ。2020年開館の“ミュゼ”は、ミュージアムに複雑時計製作のアトリエを組み込み、来館者が時計づくりの現場に最接近できる。それと一対の対照をなすのが「時計師に不可欠な要素を学び、体験する」ことができる東京の“ラボ”なのだ。
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来場者を迎えるのは、刺激的な空間だ。ファサードから1階メインフロアに足を踏み入れると、そこには「時間」「素材」「機構」「音」「天体」をテーマにした5つのコーナー=アトリエが配置されている。そのすべてで実施されるのが、テーマに沿ったゲームを知恵と五感で解いていくゲーム体験である。
これらはまさに、オーデマピゲの腕時計、なかでも高度な複雑時計を製作するのに不可欠な要素であり、時を通じた世界観の体感化だ。高度でエッセンシャルな時の概念を、誰でも楽しめるフィジカルな記憶に転換してみせるのである。
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アトリエ5「天体(ASTRONOMY)」。ムーンフェイズなどの機構原理を、手回しハンドルで時を進める太陽系モデルを使って再現。
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時計師が待つ2階では、技術の体験を通して高級時計の奥深さを知る
1階ですべてのゲームをクリアすると進めるのが、2階フロアのマスタークラス。ここでは、時計師が仕事に使うのと同等のワーキングベンチで、サテン仕上げやポリッシング、ペルラージュ装飾など、オートオルロジュリー(高級時計)の高等技術に挑戦できる。最高の時計師体験を楽しめる機会だ。
ジュウ湖を草原と森林が囲む自然豊かなル・ブラッシュの地は、高級腕時計と複雑時計づくりの桃源郷。時計師はそこで歴史と伝統を尊重し、自然への畏敬と仕事の倫理を育む。オーデマ ピゲと時計師たちの姿勢。彼らが大切にしてきたことを東京で追体験し共有できるのである。
最後に注目したいのが、来場者の動線を誘うイラストレーター・岡村優太の作品。ポップな線で描かれた人物が、それぞれのステージをナビゲートする。日本のアートワークへのリスペクトも感じる施設となっているのだ。
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両フロアで案内役を務める岡村優太のイラストレーション。
AP LAB Tokyo
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-9
TEL:03-6633-7000
営業時間:11時~19時
定休日:火曜 入場無料
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ジュウ渓谷の空気感が漂う、銀座ブティックで時計と出合う
先述のラボには商品は展示されていないので、オーデマ ピゲの腕時計を実際に見て触れたいと思ったら、訪れてほしいのが東京・銀座にあるブティックだ。外堀通りに面した超一等地に156平米の広さで展開する店舗は、2014年のオープン以来、腕時計ファンの憧れの空間である。
内装はメゾンの故郷、スイス・ジュウ渓谷の空気感を感じさせるものだ。内装や什器には木材をふんだんに使い、最高級の腕時計がル・ブラッシュの自然の中でこそ生み出されるものであることを表現している。ラウンジコーナーでは、くつろいだ雰囲気で腕時計を見ることもできる。
そして地下1階では現在『ロイヤル オーク オフショア 30年の歩み』展を開催中。非常に貴重なモデルを含む個人所有の約20点とその物語を紹介する、必見のイベントだ。
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ル・ブラッシュの雰囲気を表現する1階の内装。オープン以来、豊富な品揃えでオーデマ ピゲを愛する顧客の要望に応えてきた。
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ゆったりとしたソファで腕時計に触れられるラウンジ。
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地下1階では12月末まで「ロイヤルオーク オフショア」30周年の節目に個人秘蔵の貴重なモデルを公開中。
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オーデマ ピゲ ブティック 銀座
住所:東京都中央区銀座6-5-13
TEL:03-6830-0788
営業時間:11時30分~19時30分
無休(年末年始除く)
オーデマ ピゲ ジャパン
TEL:03-6830-0000
www.audemarspiguet.com