再開発進む下北沢で、古着にトライしたい大人向け超厳選3ショップ 〜前編〜【着る/知る Vol.159】

  • 写真・文:一史
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下北沢駅周辺開発の要である小田急電鉄の駅。上階に飲食店中心の商業施設「シモキタ エキウエ」を、ほかに先駆けた2019年にオープン。

東京・下北沢の駅周辺開発が事業認可されたのが2006年。地域住民の声を取り入れつつ、長い時間をかけここ数年でようやく整ってきた。シモキタが平凡な都会になってしまうことへの懸念はすっかり払拭されたようだ。高層ビルは建たず、駅周辺の新商業施設は2階建てが基本で威圧感がない。どの街にもあるテナント店も見当たらず店ごとの個性が際立つ。モダンな大人生活に目を向けつつ、“シモキタ”の呼び名が似合うローカルな街であり続けている。
このシモキタを象徴する昔ながらのファッションスタイルが古着だ。古着店は下北沢古着情報サイトの「#シモフル」登録数だけでも140店舗ある。ただし古着に惹かれる人でも、中古レコードを掘るように服を探し出す古着店が苦手な人は少なくないだろう。汚れやホツレをチェックするのも一苦労だ。そこでここでは、「大量の古着に囲まれると疲れてしまう。掘り出しモノを見つける労力もセンスも自信がない」という大人層も満足できる古着店をご紹介しよう。いい評判を聞きつけては足を運ぶを繰り返した超厳選の3店。大人好みの品揃え、居心地いい空間、良好なコンディション、丁寧な接客といった求める条件をクリアする店ばかりだ。さらにシモキタらしいミックス感やワクワク感があるかもセレクトの基準。ロック系/音楽系、アメリカ専門、古い年代中心といったコア路線は省いた。
チープなプリントTシャツが1万円するのも珍しくない古着は、趣味人の愉しみの世界。低価格で質がいいベーシックな服を下北沢で入手するなら、ユニクロか無印良品に行こう。前編、後編の2回にわけてお送りするこの古着特集の「フロクシノーシナイヒリピリフィケーション(floccinaucinihilipilification)」<前編> 、「MONK(モンク)」「meadow by FLAMINGO(メドウバイフラミンゴ)」<後編>は、一着一着に個性と店の思いが息づく。行けば毎日着たくなる洒落た服に出会えるはず。シモキタ散歩とともに訪れ、どうぞ一期一会の買い物体験を!

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懐かしのデザイナーズがここに!
フロクシノーシナイヒリピリフィケーションの実験精神

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デザイナーズを着てきた大人層に刺さる、洒落心に火がつく品揃え。オリジナルの服(中央の白シャツ3着)も展開。

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中央のジャケットはコム デ ギャルソンのメンズ。アイコニックな縮絨(生地を縮める)加工が施されたデザインだ。

コム デ ギャルソン、イッセイミヤケ、ジャンポール・ゴルチエ、ディーゼル、エンポリオ アルマーニ……。目につくのは1980〜2000年代前後のデザイナーズクラシック。そこに混じり近年のデザイナーズやスポーツブランドも存在感を主張する。読むことさえ困難な店名の「フロクシノーシナイヒリピリフィケーション(通称フロクシ)」は、30代前半のオーナーYoshimuraさんのセンスが炸裂する異空間。主な顧客である若い世代は新鮮に感じ、中高年層は古い記憶が引っ張り出される。「これあった!好きだった!」と心のなかで叫んでしまう服の数々。ワンシーズンで消えた服がどれほどクリエイティブであったかも、この店に来ると実感させられる。ブランドを見直すきっかけにもなり、服のアーカイブギャラリーとしても楽しめる店だ。購入しやすい価格なのも気が利いている。

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プラダの洗練されたコートにエンポリオ アルマーニのベストバッグをオン。秋冬に移り変わった店内を象徴するスタイリングだ。モデルを務めたのはショップスタッフのカイトさん。

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襟元のアクセントはシャツの上から巻いたネックレスチェーン。トレンド感のあるバケットハットもプラダ。着こなしたカイトさんの普段は笑顔の爽やかな21歳。

「買付けの方法は何十通りもあります」とYoshimuraさん。「個人宅に伺って買い取り交渉することも」。大学生の頃からやっていた仕入れて売る行為を、自身の実店舗にしたのが2018年。繁華街から遠く離れた閑静な住宅地に出店した。意図的にローカルエリアを狙ったのかと思いきや「いえ、家賃が値頃だったからです(笑)。だからこそ好きなことを続けられました。最初はまったくお客さんが来ませんでしたから」。
仕入れに力を入れているのは2000年代初頭の近未来感のある服。「例えばトミーヒルフィガーもディーゼルも、あえてテクニカルなものを選んだりします。『このブランドにこんなのあったのか』と思ってもらえるような」。意図的に集めているブランドはストーンアイランド。年イチで店内を同ブランドのアーカイブで埋め尽くすイベントを開催している。今年も11月に開かれる予定だ。

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ヨシオクボのパッチワーク風テーラードジャケット。ショーや発表イベントを行うたびに話題を呼ぶ第一線の現役デザイナーズも置くのが店のスタイル。¥30,800(税込)

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知る人ぞ知る2000年代前後のアンドリュー マッケンジーのデニムジャケット。イギリス出身同名デザイナーによるイタリアブランドだ。¥61,000(税込)

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アートなマスクはなんと、アメリカのアウトドアブランドのエディー・バウアーのもの。中綿がグースダウンの本格防寒仕様ながら、「被ると息苦しいです。70年代のものだと思いますが、実用性が薄い謎の品です」とYoshimuraさん。非売品。

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自身が考案したスタイリングを整えるYoshimuraさん(右)。

カルチャーを押し付けず、“”いい服”を揃えたキュレーション感覚のフロクシ。この店で選べば間違いないと思える、下北沢でもっとも個性が際立つ古着店のひとつだ。

floccinaucinihilipilification

東京都世田谷区代田5-35-8
営業:13時〜21時
不定休
@floccinaucinihilipilification
https://flocci-used.stores.jp

 

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SHIMOKITA life part 1

モダンなスポット、トラッドなスポット。
シモキタ散歩のガイド。

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下北沢駅の南西改札口を出てすぐのガーデン広場「ののはら」にある、移動式本屋「ブックバス」。

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2014年のコーヒードキュメンタリー映画『ア・フィルム・アバウト・コーヒー』(ブランドン・ローパー監督)にも登場した店「ベアポンド エスプレッソ」のアイスラテ「ダーティ」。ミルクとエスプレッソを幾度も注ぎ重ねる多層構造。

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2022年誕生のもっとも新しい高架下商業施設「ミカン 下北」。ランチ行列ができる居酒屋「下北 六角」や書店「TSUTAYA BOOKSTORE」をはじめ、屋台風エスニック料理、モダンベーカリー、雑貨店、古着店らが同居するカオス空間。

下北沢の大人スポット紹介は、古着特集後編の「着る/知る」Vol.160(2023年8月18日公開予定)もお楽しみに!

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【画像】再開発進む下北沢で、古着にトライしたい大人向け超厳選3ショップ 〜前編〜【着る/知る Vol.159】

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下北沢駅周辺開発の要である小田急電鉄の駅。上階に飲食店中心の商業施設「シモキタ エキウエ」を、ほかに先駆けた2019年にオープン。

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懐かしのデザイナーズがここに!
フロクシノーシナイヒリピリフィケーションの実験精神

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デザイナーズを着てきた大人層に刺さる、洒落心に火がつく品揃え。オリジナルの服(中央の白シャツ3着)も展開。

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中央のジャケットはコム デ ギャルソンのメンズ。アイコニックな縮絨(生地を縮める)加工が施されたデザインだ。

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プラダの洗練されたコートにエンポリオ アルマーニのベストバッグをオン。秋冬に移り変わった店内を象徴するスタイリングだ。モデルを務めたのはショップスタッフのカイトさん。

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襟元のアクセントはシャツの上から巻いたネックレスチェーン。トレンド感のあるバケットハットもプラダ。着こなしたカイトさんの普段は笑顔の爽やかな21歳。

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ヨシオクボのパッチワーク風テーラードジャケット。ショーや発表イベントを行うたびに話題を呼ぶ第一線の現役デザイナーズも置くのが店のスタイル。¥30,800(税込)

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知る人ぞ知る2000年代前後のアンドリュー マッケンジーのデニムジャケット。イギリス出身同名デザイナーによるイタリアブランドだ。¥61,000(税込)

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アートなマスクはなんと、アメリカのアウトドアブランドのエディー・バウアーのもの。中綿がグースダウンの本格防寒仕様ながら、「被ると息苦しいです。70年代のものだと思いますが、実用性が薄い謎の品です」とYoshimuraさん。非売品。

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SHIMOKITA life part 1_DSC1782.jpg

下北沢駅の南西改札口を出てすぐのガーデン広場「ののはら」にある、移動式本屋「ブックバス」。

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2014年のコーヒードキュメンタリー映画『ア・フィルム・アバウト・コーヒー』(ブランドン・ローパー監督)にも登場した店「ベアポンド エスプレッソ」のアイスラテ「ダーティ」。ミルクとエスプレッソを幾度も注ぎ重ねる多層構造。

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2022年誕生のもっとも新しい高架下商業施設「ミカン 下北」。ランチ行列ができる居酒屋「下北 六角」や書店「TSUTAYA BOOKSTORE」をはじめ、屋台風エスニック料理、モダンベーカリー、雑貨店、古着店らが同居するカオス空間。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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